日本臨床細胞学会雑誌
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症例
ポリープ状を呈した早期の子宮頸部胃型腺癌の 1 例
久保田 一輝磯﨑 勝宮崎 小百合涌井 架奈子本多 譲高橋 信一丸山 康世三富 弘之
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2024 年 63 巻 3 号 p. 140-144

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抄録

背景:子宮頸部の胃型腺癌は進行例が多く,予後不良とされている.今回,われわれはポリープ状を呈した早期の頸管部胃型腺癌の 1 例を経験したので報告する.

症例:60 歳代の女性.子宮頸部ポリープの細胞診で,明瞭な核小体をもつ核と淡明な広い細胞質を有する細胞のシート状集塊,核の大小不同や核分裂像が目立つ細胞密度の高い集塊,偏在核をもつ高円柱状細胞の柵状配列集塊がみられた.切除ポリープは組織学的に,円柱状の明調な細胞質と基底側に配列する核をもつ非常に高分化な胃型腺癌や顕著な核異型と泡沫状の細胞質を有する分化度の低い胃型腺癌に加え,一部に杯細胞を伴った腸型分化を示す部分もみられた.免疫染色では MUC6,CK7,MUC5AC,CDX2 陽性,MUC2,CK20 一部陽性,estrogen receptor,WT-1,p53,p16 陰性で,Ki67 標識率は 1~55%であった.追加施行された子宮頸部円錐切除や子宮全摘検体に癌の遺残はなく,FIGOⅠA 期の診断で,術後約 5 年経過したが再発や転移はない.

結論:子宮頸部の細胞診で本例のような細胞像を示す異型腺上皮細胞がみられた場合,胃型腺癌も考慮することが重要である.

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