2024 年 63 巻 6 号 p. 306-314
目的:日本肺癌学会・日本臨床細胞学会の新呼吸器細胞診報告様式の異型細胞にみられた反応性異型細胞の特徴を明らかにする.
方法:非喀痰・非良性腫瘍症例 28 枚に出現した反応性異型細胞の種類を判定した.この際,気管支上皮細胞を,通常は線毛を有する大型細胞の A 型と線毛を有さない小型細胞の B 型に分けて判定した.さらに 7 人中 4 人以上の観察者が悪性疑い/悪性とした過剰診断(OD)12 例の背景,標本上の出現細胞数,異型細胞数,集塊の大きさ,集塊の重積性,N/C 比,核の大小不同,線毛,核形,核縁,核クロマチン,核小体,細胞質を検討した.
成績:杯細胞,A 型および B 型気管支上皮細胞,Ⅱ型肺胞上皮細胞,肺胞マクロファージ,扁平上皮細胞がみられ,気管支上皮細胞は 64%を占め B 型が多かった.気管支上皮細胞がみられた OD 症例では標本上の出現細胞数,異型細胞数,大型集塊が非 OD 症例に比し多かった.
結論:反応性異型細胞は 6 種あり,気管支上皮細胞が優勢であった.気管支上皮細胞の診断には B 型の認識と過剰診断をきたす 3 つの細胞所見への留意が必要である.