子宮頸癌放射線治療後の追跡診における, 細胞診の検査結果と予後との関係について, 検索した.
すでに, 治療後5年以上経過している236例から, 5年間に採取された腟スメアは, 1, 863件であった。追跡診中に疑陽性以上の細胞診断を示したものは, 47.9%に当たる113例であり, それらの65.5%に癌の存続や再発が認められた. 疑陽性以上の組胞診断を示した113症例の死亡率は, 63.7%であり, 陰性を示した123症例の死亡率48.0%との問に有意の差がみられ, 追跡診中の疑陽性以上の細胞診断については注意すべきと考えられた.
癌の局所再発した67例のうち, 73.1%に当たる49例が疑陽性以上の細胞診断を示したが, そのほかの18例は, 腟スメアに異常が認められておらず, 今後, 細胞の採取方法などに, 工夫がなされるべきと考えられた.