日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
婦人科外来における子宮腔内吸引細胞診
蔵本 博行上坊 敏子森沢 孝行加藤 良樹秦 和子大野 英治今井 忠朗
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 21 巻 3 号 p. 527-534

詳細
抄録
当院産婦人科外来で, 子宮腔内吸引細胞診を3, 788例に施行し, 以下の成績を得た.
1) 疑陽性は130例3.4%, 陽性は43例1.1%であった. これらには頸癌19例, 異形成上皮5例が含まれており, 頸部病変除外後の疑陽性, 陽性率はそれぞれ3.2%, 0.7%となる.
2) 年代別陽性率は39歳以下0.7%, 40歳代0.3%, 50歳代1.1%, 60歳代3.9%, 70歳以上6.1%で, 50歳以上では高齢化とともに高率となった.
3) 検査対象を (1) 無症状癌検診, (2) 不正出血, (3) 術前検査, (4) その他, の4群に分けて検討したところ, 疑陽性, 陽性率は不正出血群で6.2%, 1.7%と高かった. 他群は総合して2.2%, 0.4%, と低く, なかでも無症状検診群では体癌は1例も発見されなかった.
4) 本法で, 体癌13例中12例, 92.3%を診断し, 旧来のブラシ法等に比べ良結果を得た. また良性・異型内膜増殖症を7例発見した.
5) 卵巣癌8例を診断した.子宮に転移がなくとも, 腹水中に癌細胞が存在し漿液性癌の場合, 本法が有用であることを指摘したい.
6) ホルモン期別診断の適中率は, 増殖期77.1%, 排卵期60.0%, 分泌期63.6%であった. 医療施設での本法の適応につき考察した.
著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top