抄録
外陰ページェット病の3例につき, 細胞学的研究を行ったので報告する. ページェット病変は第1例は左大陰唇, 第2例は右大陰唇, 第3例は外陰に広汎に認められたが, 第1例は尿道口周辺と子宮膣部に転移を認め, 第3例は所属リンパ節転移と右大陰唇真皮層癌浸潤を認めた. 表皮内ページェット細胞の剥離細胞所見は, 3例ともほぼ共通しており, 主として平面的または孤立散在性に配列し, 大型類円形核で, クロマチンは多くは細顆粒状を呈し, 核縁は菲薄であった. 核小体は著明で, 細胞質は豊富であり, 淡青色を呈した. 転移癌巣および真皮浸潤癌巣より得た剥離細胞所見は, 表皮内ページェット細胞所見に加うるに, 全体として異型の度を増して, 大小不同が著明となり, クロマチン粗顆粒状化や核小体複数化傾向を示した. またCell within a cellやdouble crescent nuclei with cell appositionもしばしばみられた. 表皮内ページェット細胞は細胞所見からは, 扁平上皮性か腺性かの鑑別はできなかったが, 電子顕微鏡的検索により, エクリン汗腺癌由来であることが示唆された.