日本臨床細胞学会雑誌
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腟原発と考えられる悪性リンパ腫の1例
特に腟および尿についての細胞所見
菅 三知雄熊谷 幸江福士 明佐藤 重美高野 敦佐藤 達資工藤 一
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1982 年 21 巻 4 号 p. 714-719

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抄録

われわれは, 腟や尿の細胞診中に, リンパ球様細胞が多数出現してみられた悪性リンパ腫の1症例を経験した.
患者は71歳の女性で, 不正性器出血や尿閉を訴えて当科を受診した.
腟スメア (Pap.染色) では小型, 円形~類円形の細胞が孤立散在性にみられた. 軽度の大小不同がみられ, 細胞質に乏しく, 核は大部分類円形であるが, 一部に切れ込みを示すもの (cleavedcell) もみられた. 核縁は肥厚傾向にあり, 核クロマチンは細~粗顆粒状を呈しており, 一部では不規則な凝集を示していた. 分裂像は比較的よくみられたが, 核小体はあまり目立たなかった. 尿や腹水中にも同様の細胞が認められた.
以上の細胞所見および腟生検による組織所見から, 本症例はLSG分類における非ポジキンびまん性リンパ腫の小細胞型に相当するものと思われた. また, 剖検所見では, 骨盤臓器が腫瘍によって広く浸潤されていたが, 病変部の状態からみて腟が原発部位と推定された.
悪性リンパ腫の診断に際し, 剥離細胞診は有意義なものと思われた.

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