日本臨床細胞学会雑誌
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子宮体癌細胞診におけるCriteria
根本 裕樹岡島 弘幸鈴木 忠雄松岡 規男飯田 萬一早淵 洋子田村 猛高橋 亨正
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1983 年 22 巻 4 号 p. 720-725

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抄録

1976年1月以降7年間に神奈川県立成人病センターで行った体癌80例の吸引細胞診について次の結果を得た.
1) 上記症例の細胞診結果は, クラスV60例, クラスIV10例, クラスIII6例, クラスII3例, クラスI1例で, クラスIII以上は76例95.0%であった.
2) 中性白血球の平均核径をスケールとして用いることを提案した.これに比べると, 正常内膜細胞の核径は0.8~1.0倍, 体癌は1.0~1.2~1.5倍のものが大多数を占め, 2倍を越えるものもある.増殖症では0.8~1.2倍のものが多く2.0倍を超えるものは少ない.
3) 体癌スメアの背景は壊死性成分を示すことが多いが, このなかから変性した癌細胞を検出することが, 診断上重要である.
4) 核クロマチン所見単独では癌を区別する特徴に乏しい.また核小体は重要であるとはいえ, すべての細胞に必ずみられるとは限らない.集塊のモード, 背景所見, 核径を総合して判定する必要がある.

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