日本臨床細胞学会雑誌
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Study of cell surface charges on cultured differentiated endometrial adenocarcinoma cells in various phases of the cell cycle
Osamu TANEDA
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1983 年 22 巻 4 号 p. 726-738

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抄録

実験対象に子宮内膜分化型腺癌の初代培養細胞を用い, 細胞増殖と細胞表層荷電密度との関係を, 細胞電気泳動度をパラメーターとして検討した.
また, 同調培養細胞セル・サイクル各期における荷電密度の変化, これに及ぼすステロイドホルモン, 抗癌剤などの影響を検討した.
1) セル・サイクルと荷電密度との関連: 分裂期で荷電密度は, 著明に増加する.
2) 培養メヂウム添加ステロイドホルモンの影響: 細胞増殖ならびに荷電密度はestrogen添加時増加し, progesterone添加時減少した.testosteroneはprogesteroneと類似傾向を示した.
3) セル・サイクル各期におけるステロイドホルモンの影響: estrogenは, 荷電密度をDNA合成期において著しく高め, progestefoneは, おもにG1期において荷電密度を低下させる.testosteroneは, セル・サイクルのいずれにおいても, 荷電密度を低下させ, cortisolは, 荷電密度に対して, 影響を認めなかった.
4) 抗癌剤の作用: neocarzinostatinがG2期で, actinomycin-DがS期で, それぞれ荷電密度を低下させることを認めた.
5) 子宮内膜癌細胞の特異性: 対照肺癌培養細胞の荷電密度に及ぼすステロイドホルモンの影響は, 内膜癌細胞のような特異的変化は, 認められなかった.
以上のことより, 臨床上, 細胞表層荷電密度を, 測定することにより, 細胞増殖状態を知りうる, 可能性があると考えられる
また従来の子宮内膜癌治療法において, ひとつの指標となる可能性があると考えられる.

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© The Japanese Society of Clinical Cytology
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