抄録
興味あるヘルペス感染症の3例を報告した.症例1は36歳, 症例2は44歳ともに腹式子宮単純全摘出術後13日目, 9日目に外陰部や肛門周囲の掻痒感, 疼痛, 発疹を生じた.補体結合反応によってHSV-1がその原因であることが判明した.手術というストレスが引き金になって発症した再発感染と考えられた.
症例3は36歳, 発熱, 歩行および排尿困難を訴えて来院.外陰部から肛門にかけて発赤, 浮腫, 出血, 水庖形成, びらん, 潰瘍などの高度で多彩な炎症所見を呈していた.排尿の目的で留置カテーテルを使用したが, その尿細胞診にもヘルペス感染細胞が出現した.
外陰部捺印細胞診所見は炎症性背景のなかに巨大細胞が散見された.多核形成, 核の押合い, 核内封入体形成, 核内構造のgrey degenerationが認められた.尿細胞診所見も移行上皮の核にすりガラス様のクロマチン分布が明らかであった.ヘルペス膀胱炎は, 文献上, 本邦2例目の報告である.
ヘルペス外陰炎にはポビドンヨード液を使用した.そのほか粘膜麻酔剤の塗布, coolingなどの対症療法を行って効果があった.