日本臨床細胞学会雑誌
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術中細胞診で正診できた神経節芽細胞腫と神経節細胞腫の2例
及川 正道榛沢 清昭石岡 国春佐藤 泰野田 明美岡田 妙子工藤 佳子菅原 登志子大久保 俊治大倉 一雄高橋 年美豊原 時秋佐藤 明梅津 佳英
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1983 年 22 巻 4 号 p. 855-860

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抄録

3歳8ヵ月男児の神経節芽細胞腫と, 16歳男性の神経節細胞腫の2症例を経験した.2例とも術中細胞診で正診できた.
これらの腫瘍は, 非クローム親和性の交感神経系腫瘍で, 成熟型が神経節細胞腫, 末熟型が神経芽細胞腫で, その中間型が神経節芽細胞腫であり, 縦隔や後腹膜に発生することが多い.神経節芽細胞腫の塗抹細胞所見の特徴は, 紡錘形のシュワン細胞の間に, 散在性に神経節細胞が認められ, さらに神経芽細胞も存在することである.神経節細胞は, 大型多辺形で細胞質が豊富で, 時に突起や胞体内に顆粒を持ち, 核は大型で, クロマチンは細顆粒状均等分布で, 核小体は1個で著明である.神経芽細胞は, 小型楕円形で細胞質は少なく, 核は濃染し, 核小体は1~2個認められる.神経節細胞腫の特徴は, シュワン細胞と神経節細胞が認められるが, 神経芽細胞が存在しないことである.
近年, 術中細胞診や超音波誘導下穿刺細胞診が盛んになってきたので, 今後交感神経系腫瘍に遭遇する機会が多くなるものと推定されるが, 上述の特徴的な細胞像より, 本腫瘍の細胞診断は可能と思われる.

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