子宮内操作 (D. & C.) 後の異型細胞 (ERC) と子宮頸部, 体部腺癌細胞について細胞学的に比較検討を行い, 次のような鑑別点が得られた.
ERCの特徴として,
1) 背景がclean.
2) 集塊の細胞配列がシート状.
3) 細胞質の流れ状配列.
4) 細胞質径, 核径は大きいがN/C比は小さい (豊富な細胞質をもつ).
5) クロマチンの性状は細.
6) 核小体0が少なく, 複数の核小体をもつものが多い.
7) 核形不整が腺癌よりやや多い.
8) 2.5μ 以上の核小体の割合が, 腺癌よりやや多い.
9) 核小体赤色不整形, 周囲のクロマチンと連続しているようにみえるものがわずかに腺癌より多い.
10) 核分裂像が腺癌よりわずかに多い.
実際に鏡検するにあたっては, このほかにInformationにも注意すべきであると思われる.