抄録
子宮がん細胞診スクリーニング自動化装置CYBEST6-12) の試験的実験応用について, 千葉県対がん協会において, 精密検査被検者を対象として, 細胞診のroutineで使われている綿球と, CYBESTのために考案されたスポンジを用いた細胞採取法との比較, およびその統計的解析を行い, 下記成績が得られた.
1) 自動スクリーニング装置CYBESTには, スポンジ採取の方が, 不適合標本が少ない.
2) 組織診にてdysplasia, CISと判定された例に対して, 綿球採取による標本はスポンジ採取のそれに比較して, 低異型に判定される傾向があった.
3) 異型細胞含有率は, スポンジ採取によるものの方が, 綿球採取のそれに比較して, 高くなる傾向がある.
以上の成績から, 細胞採取法として, 綿球に比較して, スポンジ使用の方が, より信頼性が高いと考えられ, CYBESTに用いてきたこの採取法が適切であったことが確認できた