日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
子宮がん検診の細胞診自動化のための検体採取法の検討
綿球とスポンジとの比較
石川 明小石川 裕子北田 美津子岡部 洋子早田 篤子山内 一弘上野 哲夫池田 栄雄田中 昇
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 24 巻 3 号 p. 494-499

詳細
抄録
子宮がん細胞診スクリーニング自動化装置CYBEST6-12) の試験的実験応用について, 千葉県対がん協会において, 精密検査被検者を対象として, 細胞診のroutineで使われている綿球と, CYBESTのために考案されたスポンジを用いた細胞採取法との比較, およびその統計的解析を行い, 下記成績が得られた.
1) 自動スクリーニング装置CYBESTには, スポンジ採取の方が, 不適合標本が少ない.
2) 組織診にてdysplasia, CISと判定された例に対して, 綿球採取による標本はスポンジ採取のそれに比較して, 低異型に判定される傾向があった.
3) 異型細胞含有率は, スポンジ採取によるものの方が, 綿球採取のそれに比較して, 高くなる傾向がある.
以上の成績から, 細胞採取法として, 綿球に比較して, スポンジ使用の方が, より信頼性が高いと考えられ, CYBESTに用いてきたこの採取法が適切であったことが確認できた
著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top