日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
髄膜癌腫症をきたした噴門部早期胃癌の1剖検例
佐伯 逸子元井 信山内 政之亀井 孝子万代 光一中西 慶喜
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 29 巻 1 号 p. 43-47

詳細
抄録
髄膜癌腫症はまれな病態で, その診断には髄液細胞診が必須である.今回われわれは, 噴門部早期胃癌に続発したまれな症例を経験したので報告する.
症例は58歳の男性で, 頭痛, 回転性眩量を初発症状とし, 多彩な神経症状を呈し, 髄液細胞診にて本症と診断された.臨床的には, 血中および髄液中のCEA, CA19-9が高値で消化管原発が強く疑われたが, 種々の画像診断でも生前には康発巣の確定にはいたらず, 全経過4ヵ月で死亡した.剖検の結果, 低分化腺癌の像を呈した噴門部早期胃癌であった.
著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top