日本臨床細胞学会雑誌
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外陰の乳頭状汗腺腫 (papillary hidradenoma) の1症例
麦倉 裕工藤 隆一久田 孝司岡崎 隆哉伊東 英樹北崎 光男小森 昭人
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1990 年 29 巻 3 号 p. 429-433

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抄録

外陰部に発生する比較的まれな乳頭状汗腺腫・papillary hidradenomaの1症例についてそれらの細胞像, 電顕所見を中心に報告する.腫瘍割面擦過細胞像では2種類の細胞集団の形態が認められた. それらは平面的に配列するシート状の集団と軽度の重積性に配列し腺管構造を有する細胞集団である.個々の細胞は軽度核の大小不同, 小型の核小体も認められ軽度細胞異型を認めるが, 大型の核や肥大核小体は認められず, 核の重積性が著明でないことより腺癌との鑑別診断の補助所見となると考えられた.電顕所見では細胞質が細胞より離脱するような所見と筋上皮細胞 (myoepithelial cells) が認められ, アポクリン汗腺への分化過程を示す所見と考えられた.

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