日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
モデル地区における子宮頸癌検診20年間の成績
森 俊彦及川 洋恵伊藤 圭子那須 一郎米本 行範佐藤 滋金田 尚武東岩井 久佐藤 信二矢嶋 聰
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 29 巻 6 号 p. 845-850

詳細
抄録

宮城県の津山町では, 昭和41年からモデル地区として子宮頸癌検診を実施しており, 初年度は対象人口1596名中, 受診者数397名の24.9%で, 精検該当者数は10名であった.そのうち浸潤癌は1名, 上皮内癌2名, 異形成1名が検出された.検診受診率は47年以降30%以上を維持している.精検該当率は最近は1%台を示し, 精検受診率はいずれの年も全例受診し, 100%である.浸潤癌例は48年以降発見されておらず, 上皮内癌例は時に検出され, 異形成例はほとんど毎年数名ずつ発見されている.初回受診者数の割合をみると, 2年目の42年では46%であり, 最近は2ないし6%程度を示している.さらにこの子宮頸癌検診のモデル地区において10年間の検診未受診者の割合は44.0%, 20年間の未受診者数の割合は33.5%に達することがわかった.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top