日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
外陰, 子宮頸部および陰茎コンジローマにおけるIn Situ Hybridization (Vira Type in situ) によるHPV DNA-6/11型の検出
今野 良佐藤 信二堀口 正之鹿野 和男八重樫 伸生遠藤 敦千葉 英俊矢嶋 聰
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 29 巻 6 号 p. 851-857

詳細
抄録
当科STD外来にて診断, 加療したコンジローマ症例を対象にHPV (human papillomavirus) の検出を行った.10%緩衝ホルマリン固定後, パラフィン包埋により保存された生検組織標本 (外陰コンジローマ16例, 子宮頸部コンジローマ6例, male sexual partnerの陰茎コンジローマ13例) を対象にビオチン標識プローブを用いたin situ DNA hybridization (Vira Type in situ) により, HPV-6/11型の局在性を検討した.
その結果, HPV-6/11型DNAは外陰コンジローマで68.6%, 頸部コンジローマで66.7%, 陰茎コンジローマで84.6%に検出された. sexual partnerにおいては, 12組中7組 (58.3%) でHPV-6/11型が男女ともに検出された.
HPV DNAの局在をみると, 扁平上皮の表層で強いsignalが, 基底層では弱いsignalが得られ, 上皮の分化に伴うHPV DNAの増加が認められた.
また, 組織学的検討の結果, HPV-6/11型によるコンジローマで悪性病変に至ったものはなく, 男女ともにmild dysplasiaが認められたに過ぎなかった.
著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top