胎児水腫 (胎齢27週) の腹水細胞診を実施し, 核内封入体細胞を認め, ヒトパルボウイルスの感染を疑った1例を経験した.核内封入体細胞のN/C比は大から中等度であった.核は腫大し, 直径10~15μmであった.また, 核内封入体細胞は核縁が肥厚し, ハロー形成があり, 青紫色に染まるスリガラス状の核であった。細胞質は青紫色であった.
酵素抗体法 (パルボウイルスB19に対するモノクロナール抗体) により感染細胞の細胞質に特異抗原を認めた.
病理解剖時の脾, 肝, 腎, 心および胎盤の組織に核内封入体細胞を認めた.
細胞診が伝染性紅斑の診断に有用と思われた.