日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
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ISSN-L : 0387-1193
30 巻 , 3 号
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  • 三浦 弘之, 加藤 治文, 小中 千守, 木下 孔明, 石井 正憲, 古川 欣也, 三浦 玲子, 海老原 善郎, Gita SAYAMI, ...
    1991 年 30 巻 3 号 p. 417-422
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    喀痰細胞診で疑陽性と判定された160検体について検討を加えた.肺癌, 隣接臓器癌109件, 臨床的に炎症性疾患・化生と診断されたもの41件, その他10件であった.悪性疾患109件中未治療が82件あり, そのうち49件が陽性, 11件が陰性と再判定可能であったが, 22件は疑陽性とせざるを得なかった.初回に陽性保留とした理由は, 細胞異型の弱さ, 異型細胞少数, 細胞変性であった.悪性疾患治療後の27例では, 再発再燃を認めた4件は陽性と, 他の4件は陰性と判定可能で, 19件は細胞変性から疑陽性とせざるを得なかった.炎症性疾患・化生41件では陰性と再判定可能な検体17件, 陽性判定可能な検体はなかった.陰性判定可能な検体のうち上皮の増殖性変化を示すものは, 強い炎症性背景と, 線毛または刷子縁をみつけることが肝要であった.
    喀痰細胞診で癌の早期発見を有効に行うには, まず異型細胞をチェックすることにあるが, 再検鏡の結果なお疑陽性とせざるを得ない検体の処理が問題となった.実践では細胞所見および判定理由をコメントし, 細胞診の段階で再検査, 追跡, 精密検査といった指導区分を設けて方向づけをし, 提出医が臨床症状とあわせて判定することが望ましい.
  • 南雲 サチ子, 矢羽田 一信, 宝来 威
    1991 年 30 巻 3 号 p. 423-430
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    集検喀痰細胞診の精度を向上させるための「集検喀疾細胞診スクリーニングのための異型扁平上皮細胞の判定区分と細胞所見」を明示した.この判定区分では, 喀痰中に出現した異型扁平上皮細胞をその異型度から癌か否か, あるいはどの程度癌を疑うかを判定し, どのような指導区分を行うかで分類した.
    この判定基準を用いてワークショップを行った結果, スクリーニングにおける異型の弱い扁平上皮癌細胞の見落としを防ぐことに役立った.またワークショップを実施することは, 異型扁平上皮細胞をより確実に判定し, 判定上の個人差をなくすることに役立った.さらに集検喀痰細胞診のスクリーニングの経験の有無により判定に差がみられた.経験のないCTは早期扁平上皮癌例の癌細胞をunder diagnosisする傾向がみられた.
  • 岡田 嘉右衛門, 正和 信英, 山田 喬, 岡田 真由美, 谷垣内 由之
    1991 年 30 巻 3 号 p. 431-438
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    1976年より1990年の14年間に獨協医科大学に於て鼻腔の悪性黒色腫の7例を経験した.6例は鼻腔粘膜に黒色調を呈した腫瘍を認め, その表面はびらんないし潰瘍を呈し, 擦過により細胞を採取した.1例は切除した腫瘤の断端基部粘膜が黒色調を呈し, 切除組織から直接塗抹した.全例細胞診により悪性黒色腫と診断し得た.
    7例の細胞学的所見は以下のごとくであった.メラニン色素の出現は6例 (86%), 核内空胞は4例 (57%), 巨大核小体は4例 (57%), 類上皮性配列は4例 (57%) に認められた.細胞学的型は類上皮型4例, 円型3例で紡錘型は1例も認めなかった.病理組織学的検索は5例のみに施行したが, 紡錘型は1例も認めなかった.鼻腔の悪性黒色腫の形態は皮膚のそれに比し紡錘型が極めて少なく, 本領域の悪性黒色腫の予後が不良であることと関係があるように思われた.
  • 原島 三郎, 荷見 勝彦, 平田 守男, 南 敦子, 都竹 正文, 池永 素子, 古田 則行
    1991 年 30 巻 3 号 p. 439-447
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    組織所見の確認されている乳腺疾患64例の穿刺細胞診標本の細胞分布パターンについて検討した.症例は乳腺症5例, 乳管内乳頭腫2例, 線維腺腫10例, 非浸潤性乳管癌6例, 乳頭腺管癌8例, 充実腺管癌15例, 硬癌12例, 粘液癌2例, 髄様癌1例と浸潤性小葉癌3例であった.
    乳腺症では泡沫細胞, アポクリン化生細胞と乳腺細胞群がみられた.乳管内乳頭腫では結合性の強い乳頭状細胞群がみられた.線維腺腫ではシート状, 多形型細胞群に付着し, または細胞群の周囲に筋上皮細胞が散在していた.一般に, 良性疾患では細胞の結合性が強いが, 線維腺腫の一部に弱いものがあった.
    悪性疾患では, 非浸潤性乳管癌で乳頭状と多形型細胞群がみられた.乳頭腺管癌では核の大小不同のある, またはない乳頭状細胞群がみられた.充実腺管癌では細胞数が多く, 結合性が強い場合と弱い場合とがあった.硬癌では小型細胞が少数散在性またはインディアンファイル状に出現する場合と散在性の細胞と細胞群が出現する場合とがあった.粘液癌では粘液の湖の中に島状細胞群が浮いているようにみえた.髄様癌では大きな細胞と多数のリンパ球がみられた.浸潤性小葉癌では小型の細胞が散在していた.
    細胞分布パターンの研究は, 乳腺疾患の組織構築と細胞診断の関係の理解のために有用である.
  • 原 仁, 小山 敏雄, 木村 正博, 石井 恵理, 河西 八郎, 赤星 至朗, 寺本 勝寛, 高相 和彦, 須田 耕一
    1991 年 30 巻 3 号 p. 448-454
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    組織学的に腺様嚢胞癌と診断された6例の細胞学的検索から次の結果を得た.
    1) 篩状パターンと充実性パターン由来の細胞はいずれも同種類の小型裸核状細胞であった.節状パターンではmucoid globulesが多く出現し, 細胞密度は低かった.充実性パターンはmucoid globulesはわずかであったが, 細胞密度は高かった.管状パターンは外層筋上皮細胞では篩状パターンや充実性パターンを構成する細胞と同じ小型裸核状細胞であった.内層腺管上皮細胞では胞体は豊富で厚く, 空胞化があった.核と核小体もやや大型であった.
    2) 穿刺吸引による腺様嚢胞癌の細胞学的亜型分類は組織学的亜型分類をよく反映していた.
    3) 細胞学的異型度は亜型分類ではなく, 充実性パターンの占有率に強く関連した.すなわち, 充実性パターンが30%以上では高度 (grade 3) で明らかに悪性, 数%(10%以下) では軽度 (grade 1), その中間群 (10~20%) では中等度 (grade 2) であった.
  • 手塚 文明, 東岩井 久, 遠藤 のり子, 伊藤 圭子, 千葉 清美, 並木 恒夫, 鈴鹿 邁, 亀 セツ子
    1991 年 30 巻 3 号 p. 455-459
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    細胞診における悪性の判定では, 細胞個々の示す異型だけでなく, 核間距離の不均一や核の重積といった細胞の「配列」異常を把握することも大切である.私どもは細胞「配列」の異常を定量する計測方法を開発し, さらに子宮内膜細胞診への応用を試みた.
    標本平面に分布する細胞 (核) の「配列」はDP (distribution pattern) index (=rn0) によって定量的に表すことができる.ここでn0は核の密度, rはすべての核からそれぞれ最も近くにある核までの重心間距離の平均である.このDP indexは核が正六角形格子の交点の配列を示せば0.877, 等間隔規則性を失ったランダムな配列を示せば0.5, 完全に1点に重なれば0となり, 配列状態に従ってこれらの値の間を連続的に変化する.
    子宮内膜から採取された細胞集団についてDP indexを求めると, 正常 (22例) で0.826±0.029, 内膜増殖症 (16例) で0.735±0.019, 高分化型腺癌 (19例) で0.641±0.046となり, 3群間で明らかな有意差が認められた (p<0.01).子宮内膜の増殖性病変では細胞「配列」に異常が生じ, 本来の規則性が失われている.これらの変化を定量的に把握することは, とくに内膜増殖症と高分化型腺癌の鑑別に有用な一助となる.
  • 小畑 孝四郎, 井上 芳樹, 渡部 洋, 高池 哲治, 老木 正彰, 野田 起一郎
    1991 年 30 巻 3 号 p. 460-466
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    内膜増殖症について, その内膜吸引細胞診成績, ならびに, 標本上に出現する内膜腺細胞の核所見, さらに, 細胞の重積の状態, 細胞集団の辺縁像を検討し, 以下の結果を得た.
    1) 従来のcriteriaによる内膜吸引細胞診で陰性であったものは, 嚢胞性腺増殖症では73.7%, 腺腫性増殖症では61.5%, 異型増殖症では44.1%であった.
    2) 核異型は嚢胞性腺増殖症ではなく, 腺腫性増殖症ではないか, あっても軽度である.異型増殖症で核異型が目立つようになるが, 核異型を示す細胞の出現頻度は高分化型腺癌より低い.
    3) 不規則重積性は, 内膜増殖症で程度の差はあれ認めることが多く, 病変が高度になるほどその程度は増強した.
    4) 腺腫性増殖症では整の棍棒状, 整の乳頭状の突起が, 異型増殖症では, 不整乳頭状, 不整棍棒状の突起が多くみられた.
    以上の結果より, 細胞集団の不規則重積性, および, 細胞集団の辺縁像は, 内膜増殖症を診断する上で重要であると思われた.
  • 中澤 愛子, 京 哲, 中西 一吉, 小川 晴幾, 笹川 寿之, 清水 廣, 田中 善章, 井上 正樹, 上田 外幸, 谷澤 修
    1991 年 30 巻 3 号 p. 467-472
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮頸部におけるHuman Papillomavirus 16型, 18型の感染を子宮頸部擦過細胞から得たDNAを用いてPolymerase Chain Reaction (PCR) 法により検出した.さらにHPV感染と組織診, 細胞診との関係を比較検討した.Dot blot法と比較してPCR法は検出感度に優れていた.PCR法にてHPV16型または18型を検出した症例数は, 正常69例中11例, 頸部コンジローマ3例中0例, CIN 67例中17例, 浸潤癌30例中11例であった.Koilocyte, binucleated cell, dyskeratocyteなどのHPV感染細胞所見を検討できた59例中, PCR法にてHPV 16型または18型が陽性となったのは19例, 陰性であったのは40例であった.HPV 16型または18型陽性の19例中, koilocyteは5例 (26%), binucleated cellは4例 (21%), dyskeratocyteは11例 (58%) で, HPV陰性例40例中では, それぞれ1例 (3%), 10例 (25%), 15例 (38%) に認めた.しかし, いずれの所見も特異的でなく, 細胞診のみではHPV感染を検出するのは困難であると思われた.また, 細胞診, 組織診にて正常の症例中, 約16%にHPV DNAを認め, これらの症例の今後のfollow upが重要であると思われた.
  • 山川 義寛, 河口 徳一, 手島 英雄, 横須賀 薫, 中山 一武, 荷見 勝彦, 増淵 一正
    1991 年 30 巻 3 号 p. 473-480
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    卵巣明細胞腺癌患者の腹水より細胞株を樹立した.同細胞は, 1987年初代培養後, 3年以上継代可能である.本細胞株は以下の特徴を有している.
    1) Doubling timeは約53時間であり, 細胞密度は6.3×104/cm2である.
    2) 染色体数は異数性に分布し88にモードを有している.
    3) 細胞質にはPAS陽性物質が認められ, アミラーゼにより消化されグリコーゲンであることが証明された.
    4) 免疫細胞組織化学による各種腫瘍マーカー産生能の検討ではCA15-3, CA19-9, CA72-4, BFPが原腫瘍, 培養細胞とも染色された.
  • 今野 良, 鹿野 和男, 伊藤 潔, 牧野 浩充, 遠藤 敦, 佐藤 信二, 及川 洋恵, 末永 智子, 伊藤 圭子, 矢嶋 聰
    1991 年 30 巻 3 号 p. 481-488
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    非放射線標識プローブを用いるdot blot法とSouthern blot法 (FO-8830) により, 子宮頸部擦過細胞におけるHPV DNAの検出を行い, 以下の結果を得た.
    1) Dot blot法によるHPV screening testにより, 異形成症例の19.7%(34/173) がHPV陽性だった.
    2) このうち46例についてFO-8830とViraPapを併用し比較検討した.前者では32.6%(15/46), 後者では23.9%(11/46) の検出率で, 一致率は84.8%だった.
    3) 集団検診受診者の2.2%(4/180) がHPV陽性だった.HPV陽性者の細胞診はclassIIIDが1例, III腺が1例, IIが2例だった.
    4) FO-8830のtyping test (Southern blot法) によって, HPV16型3例, 18型1例, 31型3例, 35型2例と判定された.screening testとtyping testの一致率は82.6%だった.
    5) HPV DNAの検出と細胞診, 組織診との関係をみると, 病変が進行したものにHPV陽性率が高い傾向にあった.
    多数の臨床検体のHPV DNA検出をSouthern blot法で行う本法は有用と思われた.
  • 上田 順子, 岩田 隆子, 石原 得博, 山下 吉美, 権藤 俊一, 高橋 睦夫, 山下 勝, 村上 喜信
    1991 年 30 巻 3 号 p. 489-495
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    尿中に出現した, 形態学的にウイルス感染を示唆する細胞についてヒトポリオーマウイルスであるJCウイルス (JCV), BKウイルス (BKV) のビオチン化DNAプローブを用いてin situ hybridization (ISH) を行い, ポリオーマウイルス感染を同定すると共に感染細胞のパパニコロー染色での特徴を検討した.
    1) パパニコロー染色でポリオーマウイルス感染を疑った15例のうち8例にISHでDNA陽性所見が得られた.その基礎疾患は腎移植の他, 糖尿病, 白血病, 再生不良性貧血であった.
    2) ポリオーマウイルスのうち, JCV-DNA陽性4例, BKV-DNA陽性1例の他に, JCV, BKVの混合感染が3例に認められた.
    3) BKV1DNA陽性症例の細胞には, 電顕によりウイルス粒子を証明できた.
    4) パパニコロー染色とISHの併用により, 塗抹標本でポリオーマウイルス感染の診断を確実にすることができた.
  • 比佐 純孝, 森谷 浩史, 鈴木 茂毅, 渋谷 広子, 木村 和衛, 冨田 健, 松川 明
    1991 年 30 巻 3 号 p. 496-501
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    肺癌の細胞診断に適する迅速染色法を明らかにする目的でDiff-Quik染色, Cytocolor染色, Gi11-Shorr染色の3種の染色法を染色時問と染色性を中心に比較検討した.
    1) 染色時間はDiff-Quik染色が約30秒と最も速く染色が完了した.
    2) 所見の正確さはGill一Shorr染色が優れ陽i生率, 組織診との一致率, Papanicolaou染色所見との一致率において高い値を示した.
    3) Diff-Quik染色とGil1-Shorr染色の同時進行が最も効率の良い方法と考えた.
  • 福島 成之, 西山 哲穂, 葛西 里美, 吉澤 里美, 武田 善樹
    1991 年 30 巻 3 号 p. 502-506
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    アミラーゼ産生肺癌の3例を経験したので細胞所見を中心に報告する。症例は各々, 48歳, 63歳, 38歳のいずれも男性で, 前2例は胸水中に, 後1例は心嚢水中に腺癌細胞を認めた.前2例は剖検にて肺原発乳頭状腺癌を確認したが, 後1例の組織所見は確認していない。これら3例の腺癌細胞に共通する細胞学的特徴は, 乳頭状結合と, 高いN/C比, 正円形の核と中央の大型核小体であり, 内側胞体は密, 重厚で辺縁胞体は微小空胞状である点と思われた.散在し大型化した細胞においてはN/C比の低下と多形化がみられ, 内, 外側胞体の差はより明確となった.PAS染色, アルシアンブルー染色はともに陽性で, PAP法による唾液腺型アミラーゼ染色 (以下S-AMY染色という) も, 陽性であった.
    電顕では, 核縁クロマチンの薄い切れ込みのある核と, 微繊毛をもつ胞体と外分泌顆粒を認めた
    .3症例を呈示し,'それらの細胞所見, 組織所見, 電顕所見を記載し, アミラーゼ産生型肺癌の発生起源について若干の考察を加えた.
  • 平田 仁, 水島 豊, 矢野 三郎, 北澤 幹男, 福村 健, 三輪 淳夫
    1991 年 30 巻 3 号 p. 507-511
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    49歳, 男性.1988年5月左胸水貯留にて発症した左上葉の腫瘍.胸水細胞診で腺癌, 左B1+2閉塞部の生検より小細胞癌と診断されており当初二重癌が考えられた.1988年12月まで喀疲細胞診にて小細胞癌と診断されていたが, 89年4月入院時には, 腺癌・扁平上皮癌・小細胞癌とさまざまな判定が下された.
    腫瘍マーカーではCEAが治療に反応せず経過中上昇し続け, CA125は治療後いったん正常化したものの再上昇を示した.一方NSEは経過を通し明らかな異常を示さなかった.
    剖検において腫瘍の一部では小細胞癌と診断される部分もみられたものの, シート状の配列を思わせる部分や大細胞癌様の部分がかなりの部分を占めており, 小細胞癌の部分より連続性に移行していた.粘液産生を認める細胞もわずかながらみられた.
    これより一部に腺癌の性格を有していた小細胞癌が, 治療により小細胞癌の成分が減少し, 治療に反応しにくい腺癌・大細胞癌の性格をもつ腫瘍細胞が増殖していったものと考えられた.Retrospectiveには, 細胞診においてもこのような変化が経過とともに追え肺癌のheterogeneityを示す興味深い症例と考えられた.
  • 上森 昭, 石原 明徳, 木村 多美子, 小山 英之, 久保 将彦, 金 春順
    1991 年 30 巻 3 号 p. 512-516
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    症例は62歳の女性で, 血痰を主訴として来院し, 胸部X線に異常はなかったが喀痰細胞診で異型細胞が認められ, 精査の結果, 上咽頭腫瘍が発見された。生検組織診は, 未分化癌であった.喀痰細胞診では, 1) 腫瘍細胞は小集塊を形成し, リンパ球が混在した.2) 細胞質は類円形-多辺形でライトグリーン好染性であった.3) 核グロマチンの増量はほとんどなく, 好酸性の大型核小体を有する, などの特徴がみられた.
    肺病変が認められない患者において, 喀痰中に肺腺癌や扁平上皮癌と異なり, 核クロマチンの増量がなく, 明瞭な核小体を有する未分化上皮細胞がみられた場合, 本腫瘍を疑ってみる必要がある.
  • Raj K. Gupta, St. John Wakefield, Tadao K. Kobayashi, Robert J. Fauck, ...
    1991 年 30 巻 3 号 p. 517-521
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    穿刺吸引細胞診によって示唆された, 乳房のいわゆる多空胞性 (球形) アポクリン癌を報告した.アポクリン癌の定義や頻度の違いを観察するうえからこれらの腫瘍を, 明確に異なった組織亜型とする考えは疑問といわざるをえない.本論文ではこれらのアポクリン癌の穿刺吸引細胞像, 免疫組織化学および電顕的像について調べた.われわれの示した特殊染色の結果から球型空胞細胞の由来は泡沫大食細胞のそれとよく一致し, また, これらは乳房よりの穿刺材料でしばしば検出される.すなわち, 最近使われている新しい用語である多空胞性, 脂質含有 (球形) 細胞を伴ったアポクリン癌という考えは今のところ受け入れがたい.
    これは目下混乱している定義に対して何ら新しいものを付け加えるとは思われない.
  • 伊達 晶子, 則松 良明, 伊藤 隆志, 川西 功躬, 野口 秀樹, 古谷 満寿美, 香田 浩美, 能登原 憲司
    1991 年 30 巻 3 号 p. 522-526
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    胸腹水中に腫瘍細胞を認めた卵巣原発Endodermal sinustumor (EST) を経験したので報告する.症例は28歳女性.3妊1産.下腹部痛, 不正性器出血の主訴にて来院し, 超音波検査, CTscanにて子宮上部に充実性腫瘍を指摘された。術前検査でCA-125, neuron-specificenolase (NSE), α-fetoprotein (AFP), α1-antitrypsin (AAT) は高値を示し開腹手術, 術後化学療法が施行された.術後胸腹水細胞診検査にて出血性背景の中に, 淡く泡沫状の細胞質, 大小不同の不正形核を有する細胞集団を認め, 胞体内外にはオレンジG-ライトグリーン好性, PAS強陽性のhyalineglobules (HG) がみられた.組織所見はSchiller-Duval body, 内胚葉洞構造を形成する腫瘍であり, 細網状構造の中央部分にはHGを多数認め, PAS陽性, ジアスターゼ抵抗性を示した.免疫組織化学染色にて, 胎盤性アルカリホスファターゼ, NSE, Leu7, クロモグラニンが腫瘍細胞のみに, AFP, AATが腫瘍細胞およびHGに陽性を示した.本症例の胸腹水細胞像は腺癌との鑑別が困難であるが, 胞体内外にPAS強陽性のHGを認めることによりESTの診断が示唆された.
  • 河内 茂人, 原 正道
    1991 年 30 巻 3 号 p. 527-531
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    38歳の末期子宮頸癌患者 (扁平上皮癌) が心嚢転移によると考えられる心タンポナーデをきたし, 心嚢液細胞診を行ったところ塗抹法では陰性であったが, Cell Block法により癌真珠を含めた扁平上皮癌組織が確認された.
    近年, 子宮頸癌患者で心嚢液細胞診により心転移を診断したとする報告がなされているが, いずれも塗抹法によるものであり, Cell Block法まで用いて初めて癌転移を証明したとする報告は少ない.本症例における心タンポナーデ発症機序, さらにそれと関連して塗抹法細胞診陰性の原因につき考察し, 癌性心嚢液細胞診におけるCell Block法細胞組織診併用の必要性を強調した.
  • 原 仁, 須田 耕一, 木村 正博, 石井 恵理, 小山 敏雄, 貴家 基, 高相 和彦, 赤星 至郎
    1991 年 30 巻 3 号 p. 532-535
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    耳下腺原発のpolymorphous adenocarcinomaの1例を報告する.症例は57歳男性で左耳下部に腫瘤を触知し, その後急速に増大し, 腫瘤を摘出するも再発を繰り返し肺転移を併発して死亡した.術中の細胞診では円-卵円および紡錘形の核からなる多数の腫瘍細胞が孤立散在性または集団で出現し, 孤立性の細胞はすべて裸核状であり, 紡錘形核の細胞は束状に配列していた.細胞質の保たれているところでは腺管形成と粘液様球体が認められた.核はいずれも小型から中型で約10μ 前後と大小不同に乏しく, 核形の不整も認められなかったが, 明瞭なnuclear clearingと赤い円形核小体がみられ, 悪性が示唆された.病理組織学的には明るい細胞質と円-卵円形核の腫瘍細胞が充実性に増殖し, その中に腺管-小嚢胞形成や肉腫様の配列がみられpolymorphous adenocarcinomaと診断された.
  • 浜田 勝, 名方 保夫, 遠藤 千鶴, 森 睦子
    1991 年 30 巻 3 号 p. 536-538
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    内視鏡下穿刺吸引細胞診で, 腫瘍細胞の出現した胃類上皮平滑筋性腫瘍の1例を経験したので, 細胞診上の鑑別診断について考察を加えて報告した.
    症例は71歳, 男性.胃角部後壁に発生した大きさ3.0×2.5cmの粘膜下腫瘍であった.内視鏡下穿刺吸引細胞診では, 裸核状で, 1~2個の核小体を有し, クロマチンは比較的繊細な多少の大小不同を伴う類円形~ 楕円形核をもつ腫瘍細胞が, 交錯する流れを形成している像が認められた.捺印細胞診では, 全体に細胞密度が高く, 裸核状で, クロマチンは軽度増量しているが, 核小体は不明瞭で, 多少の大小不同を伴う類円形~長楕円形核をもつ腫瘍細胞が, 偽腺腔状あるいは偽ロゼット状の配列を示している部分が認められた.これらの細胞像より, 平滑筋性腫瘍とりわけ悪性の可能性が推定された.組織像では, 印環型 (明調型) を示す腫瘍細胞の増殖像が認められ, 類上皮平滑筋性腫瘍であった.
    本症例の細胞像に出現した腫瘍細胞は, 組織像に出現した印環型 (明調型) 腫瘍細胞に相当する可能性も考えられた.
  • 清水 亨, 福島 範子, 朝隈 蓉子, 千野 秀教, 野村 利之, 舟橋 信司
    1991 年 30 巻 3 号 p. 539-545
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
    症例は72歳の男性で, 主訴は肉眼的血尿である.三角部, 後壁および左側壁にまたがる非乳頭状腫瘍を認め, 自然尿, 膀胱洗浄液中に明るい細胞質をもつ腫瘍細胞が認められ, 豊富なグリコーゲンと特徴的な標的状の細胞質内空胞を認めた.組織学的に病変の主座は粘膜固有層と筋層にあり, 明るい細胞質をもつ腫瘍細胞が充実性胞巣構造, 一部不完全な管腔構造を示したが, hobnail型の細胞はなく, また乳頭構造を示す部分はなかった.本症例は電顕的にも卵巣や子宮の明細胞癌と共通の所見を認めたが, 腺様化生を伴った移行上皮癌としても説明しうるものである.
  • 清水 健, 正和 信英, 山田 喬, 佐々木 英夫, 鈴木 徹, 伊佐山 絹代, 清水 誠一郎, 大和田 文雄
    1991 年 30 巻 3 号 p. 546-551
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    膀胱に発生したいわゆるNephrogenic adenoma 2例の尿細胞像および組織像を報告した.症例は13歳男児と72歳女性で, 前者は黄色肉芽腫性腎孟腎炎の既往を有する.細胞診断学的には, いずれも炎症性背景を伴い, 尿中に移行上皮とは異なり中等度の重積を示す腺様細胞の小集塊を散見した.細胞は円柱~ 立方状, 胞体は淡明~ レース状で一部に胞体内空胞をみとめ, 核は中心~ やや偏在性に位置し類円形であった.小型の核小体もみられた.核クロマチンは軽~ 中等度の均等な増量を示し, 核膜の明瞭化もみられた.しかしN/C比の著しい増加, 核縁不整, クロマチン凝集など悪性を示唆する所見はみられず, 良性の腺由来異型細胞と考えられた.組織学的には, 病変の表面および固有層内に, 刷子縁様構造を有し尿細管上皮に類似する円柱状細胞の増生をみとめた.症例1では, 炎症や肉芽組織を背景に固有層内に小数の小腺管形成がみられ, 化生様の像を呈していた.症例2では, 固有層内にびまん性に大小の腺管増生がみられ, あたかも腫瘍性変化のごとくみえた.本疾患のごとく尿中に腺様上皮をみとめた場合には, 良性疾患としては, nephrogenic adenomaをはじめとして腎上皮細胞, 悪性疾患では泌尿生殖器原発や他臓器から浸潤した腺癌との鑑別が必要である.
  • 杉島 節夫, 横山 俊朗, 吉田 友子, 大薮 裕司, 江藤 耕作, 自見 厚郎, 荒川 正博, 森松 稔
    1991 年 30 巻 3 号 p. 552-557
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    尿中に腫瘍細胞が出現した男子尿道原発悪性黒色腫について報告した.症例は64歳男性で尿道球部に発生した悪性黒色腫であった.尿細胞診では腫瘍細胞は孤立散在性に出現し, 一部疎な結合を示す集塊で出現した細胞では移行上皮癌細胞との鑑別が困難であったが, 少数の細胞には明らかなメラニン顆粒が認められた.これら尿中の腫瘍細胞は免疫組織化学染色においてS-100蛋白が陽性を示し, 摘出腫瘤の病理組織標本ではMasson-Fontana染色陽性, 鉄染色陰性, 免疫組織化学染色ではS-100蛋白陽性さらにNSE (Neuron-specifi cenorase) も陽性であった.また, 電顕にて腫瘍細胞の細胞質に多数のmelanosomeが確認された.
  • 松原 美幸, 渡会 泰彦, 鈴木 恒道, 浦田 伸一, 喜村 久美子, 前田 昭太郎
    1991 年 30 巻 3 号 p. 558-563
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    Epithelioid sarcomaは比較的まれな軟部腫瘍で若年成人の前腕, 手掌, 指に好発する.この腫瘍は良性, 悪性の鑑別がしばしば問題となるので, 細胞診に携わる者にとって重要である。今回われわれは穿刺吸引細胞診で再発を推定診断しえたEpithelioid sarcomaの1症例を経験したので報告する。
    患者は44歳女性で, 右手掌部の腫瘤を主訴として当院に入院した.細胞所見では, 大型類円形ないし多稜形の細胞が主として粗な結合性の小集塊としてみられ, 線維芽細胞様紡錘形細胞も散見された.組織所見では, 腫瘍細胞は結節性に増殖し, 中心壊死傾向がみられた。免疫細胞化学的にkeratin, EMA, TPA, CEA, vimentin, actinが陽性, 電顕的にintermediate filament, desmosome様接着装置が証明された.
  • 杉江 茂幸, 西川 秋佳, 吉見 直己, 田中 卓二, 加藤 一夫, 下中 恵美子, 中村 淳博
    1991 年 30 巻 3 号 p. 564-570
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    血管肉腫の2例の細胞像を報告した.第1例は53歳女性.脾臓原発, 脾臓摘出3年後, 多臓器に転移し, 腹水細胞診にても腫瘍細胞を確認した.再発入院5ヵ月後死亡.剖検時, 捺印細胞診が施行された.第2例は66歳女性.顔面皮膚原発, 放射線療法後原発巣全摘術施行.術後化学療法施行するも再発し, 摘除術, 放射線療法を繰り返したが, 病悩12ヵ月後死亡.剖検時, 吸引および捺印細胞診が施行された.これら2例における吸引および捺印細胞診所見は同様のものであり, 共通する所見として,
    1) 出血性背景に孤立散在性ないし小集塊性に腫瘍細胞を認めた.小集塊中ロゼット様構造や血管様構造を示すものも散見された.
    2) 腫瘍細胞は, 多稜形細胞を主体に紡錘形細胞, 多核巨細胞を認め, ライトグリーン好染性胞体を有し, N/C比はさまざまであるが高いものも目だった.
    3) 核は楕円ないし類円形のものが多く, 大小不同, 核縁不整, 核異型もめだった.クロマチン量は高く, 核小体は1~2個明瞭なものを認めた.
    4) PAS陰性, 第VIII因子関連抗原陽性であった.
    血管肉腫は1症例中においてもきわめて多様な細胞像を示し, その診断はきわめて困難とされるが, 臨床所見もあわせて総合的に判断することにより診断も可能と考えられた.
  • 加藤 拓, 高橋 久雄, 遠藤 富士乗, 松本 敬, 山本 浩嗣, 武田 敏
    1991 年 30 巻 3 号 p. 571-578
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    46歳, 男性でVon Recklinghausen病 (neurofibromatosis) 患者の大腿部に発生したmalignant schwannomaの1例を経験した.多発するneurofibromaの細胞像は,(1) 線維性の細胞質を持ち, クロマチンが淡く紡錘形の核を持つ細胞と,(2) その細胞よりわずかに小さくクロマチンが濃く短紡錘形から類円形核を持つ細胞の2種類が認められた.Malignant schwannomaの細胞像は束状から枝分れ状の配列や, 所により粘液様物質を背景に集合性にみられる部分から散在性へと移行を示す細胞などがみられた.個々の細胞は多彩な形態を示した.組織標本での免疫組織化学的検索においてS-100蛋白はneurofibromaの (2) の細胞に, malignant schwannomaにおいては粗な配列を示す部分の細胞に多く認められた.S-100α はmalignant schwannomaにおいて陽性細胞が増加し, 逆にS-100βは減少する傾向にあった.またMBP, NSEはmalignant schwannomaにおいて強くみられた.電顕的にmalignant schwannomaは多彩な形態を示すSchwann由来細胞と多数のfibroblastおよび少数のperineurial細胞より構成されていた.
    これら両腫瘍はSchwann由来細胞, fibroblastおよびperineurial細胞よりなると示唆されたが悪性化にしたがい, これらの細胞形態および性質は大きな変化を示した.
  • 野村 将春, 藤村 政樹, 小川 晴彦, 中村 忍, 松田 保, 野々村 昭孝
    1991 年 30 巻 3 号 p. 579-583
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    症例は68歳の男性, 乾性咳嗽, 血痰, 呼吸困難にて来院し末梢血にてモノクローナルな白血球の増多が認められた.胸部レントゲン写真上, 全体的に問質性陰影が増強し, さらに両側中下肺野に実質性陰影が認められた.異常増殖している白血球は形態学的および免疫化学的に形質細胞に属すると確認され, 形質細胞白血病と診断された.胸部異常陰影に対しては経気管支的肺生検が施行され, 白血病細胞の肺胞問質への浸潤と実質への出血像が認められた.血小板は減少していたが, 凝固学的検査には異常なく, 出血は白血病細胞の問質への浸潤が原因と思われた.
  • 岩 信造, 由谷 親夫, 田原 義孝, 今北 正美, 佐伯 和則
    1991 年 30 巻 3 号 p. 584-587
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    胎児水腫 (胎齢27週) の腹水細胞診を実施し, 核内封入体細胞を認め, ヒトパルボウイルスの感染を疑った1例を経験した.核内封入体細胞のN/C比は大から中等度であった.核は腫大し, 直径10~15μmであった.また, 核内封入体細胞は核縁が肥厚し, ハロー形成があり, 青紫色に染まるスリガラス状の核であった。細胞質は青紫色であった.
    酵素抗体法 (パルボウイルスB19に対するモノクロナール抗体) により感染細胞の細胞質に特異抗原を認めた.
    病理解剖時の脾, 肝, 腎, 心および胎盤の組織に核内封入体細胞を認めた.
    細胞診が伝染性紅斑の診断に有用と思われた.
  • 佐々木 政臣, 岩 信造, 若狭 研一
    1991 年 30 巻 3 号 p. 588-592
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    悪性リンパ腫患者の気管支擦過細胞診にてcytomegalovirus感染細胞の1例を経験したので報告する.
    症例は56歳の主婦で, 咳および皮膚の掻痒性発疹で入院した.皮膚生検を実施し, 病理組織学的にmycosis fungoidesの診断がなされ, ただちに, vincristin, endoxan, leukerin, predoninの化学療法を実施した.胸部X線で薬剤性, 癌性リンパ管炎あるいはカリニ肺炎を疑った.気管支擦過細胞診を実施し, cytomegalovirus感染細胞を検出し, 蛍光抗体法にて細胞質に特異蛍光を認めた.さらに, in situ hybridizationにてウイルスDNAを確認し, 細胞診断学上有用であった.
  • 高村 郁世, 菅 三知雄, 貝森 光大, 竹越 美佐江, 一戸 志津子, 水野 博子, 石沢 ひと美, 桜庭 厚
    1991 年 30 巻 3 号 p. 593-599
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    皮膚筋炎 (Dermatomyositis) が先行合併し, 子宮腔部および子宮腔内細胞診で腫瘍細胞を認めた, 正常大の卵巣に発生した漿液性嚢胞腺癌の症例を経験したので報告する.
    症例は44歳, 女性, 皮膚筋炎のため当院皮膚科に入院治療していたが, 腫瘍マーカー血清CA125が上昇してきたため当科に婦人科悪性腫瘍の有無の検索が依頼された.内診, 超音波および骨盤CTscanでは異常所見は認められなかったが, 子宮膣部および子宮腔内細胞診で, 腫瘍背景を欠如し, psammoma bodyをともなった腺癌細胞集塊がみられた.ダグラス窩穿刺細胞診でも同様の腺癌細胞を認めたため卵巣腫瘍 (卵巣漿液性嚢胞腺癌) を推定病変として開腹手術を予定したが, 肺炎の合併, その他一般状態の悪化のため中止せざるをえなかった.その後最終的には脳血管障害で死亡し剖検が行われた.Macroscopicには腹腔内に著変はみられなかったが, 両側正常大卵巣に漿液性嚢胞腺癌の病理所見が認められ, また両側卵管に疎通性を認めた.子宮膣部および子宮腔内細胞診上の腫瘍細胞出現機序としては経卵管由来であることが示唆された.
  • 衣笠 万里, 赤堀 泰一郎, 岡村 昌幸, 長谷川 和男, 武内 久仁生, 高橋 満智子, 指方 輝正, 石橋 万亀朗
    1991 年 30 巻 3 号 p. 600-606
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    アミラーゼ産生を示した卵巣類内膜腺癌の1例を経験したので報告する.
    患者は56歳, 未妊の主婦で開腹術により卵巣癌StageIIIcと診断された.術前に血清および尿中アミラーゼが異常高値を示し, アイソザイム分析では唾液腺型が優位であった.主病巣を摘出した後, アミラーゼ値およびアイソザイムパターンはいずれも正常域に復した。術後組織診で類内膜腺癌と診断され, 捺印細胞診では孤立散在性, 重積性もしくは棚状の配列を示す腺癌細胞が認められた.酵素抗体法により捺印細胞および摘出組織中にアミラーゼの局在が証明され, 電顕的にも腫瘍細胞中にzymogen様顆粒の存在が認められたことから, 本症例はアミラーゼ産生卵巣癌であることが確認された.術後化学療法および放射線療法を施行したが, 腹水の貯留および肝転移が出現し, 術後9ヵ月目に死亡した.この間, 血清アミラーゼ値およびアイソザイムパターンはいずれも正常域にあった.
    今回の症例経験より, アミラーゼを腫瘍マーカーとして過大評価すべきではないと考えるが, 原因不明の高アミラーゼ血症の症例などにおいて細胞診断上のマーカーとして今後も応用可能であると思われた.
  • 平沢 浩, 舟橋 正範, 黒田 誠, 溝口 良順, 澤田 富夫, 廣田 穣, 笠原 正男
    1991 年 30 巻 3 号 p. 607-610
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    80歳女性に発生した子宮体部原発性高分化扁平上皮癌の1例を経験した.頸管擦過細胞診, およびエンドサイト法による内膜擦過細胞診では中等度異形成を認め, parakeratosisを伴う線維状~紡錘状の細胞が主体で, 細胞質はライトグリーンあるいはエオジン, オレンジG好性であった。また核異型に乏しかった.細胞像から悪性病変としての診断は困難であった.内膜組織診でも, 採取された細胞は異型の乏しい扁平上皮成分のみで, 癌としての確定診断は得られなかった.臨床的に悪性を否定できず, 単純子宮全摘術を施行した.病理組織学的検索からは, 子宮体部高分化扁平上皮癌と診断された.
  • 小松 敏也, 伊熊 健一郎, 太子 やえ, 興梠 隆, 竹村 正
    1991 年 30 巻 3 号 p. 611-617
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    子宮頸部が原発と考えられるPlacental site trophoblastic tumor (PSTT) について, 細胞診断学的所見を中心として報告する.
    患者は, 9年前に妊娠中絶の既往のある44歳の主婦で, 性交時出血を主訴として来院した。初診時所見では, 外子宮口付近にポリープ様隆起物を認めた.
    細胞診所見では単核, 多核といった特徴的な細胞がみられ, 特に多核細胞は単核細胞に比して細胞がより大型, かつ核小体はいっそう明瞭であった.術前生検の病理学的診断とも合わせPSTTを含む絨毛性疾患を疑い, 右卵巣を残して単純子宮全摘及び付属器摘除の手術を行った.
    摘出病理標本の免疫酵素抗体法所見では, 腫瘍細胞はhPLの局在性が強くhCGの局在性は弱く, 最終的にPSTTと診断した.またPapanicolaou染色細胞診標本を脱色して行ったhPL染色でも, 長円形ないしは短紡錘形の単核細胞により強いhPLの局在性をみた.
    単核もしくは2~3核の特徴的なintermediate trophoblast (IT) から構成されるPSTTの診断にも細胞診断学はきわめて重要であることが示唆された.
  • 原 仁, 須田 耕一, 木村 正博, 石井 恵理, 小山 敏雄, 河西 八郎, 寺本 勝寛, 高相 和彦
    1991 年 30 巻 3 号 p. 618-619
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 岩井 宗男, 宮平 良満, 太田 茂, 岡部 英俊
    1991 年 30 巻 3 号 p. 620-621
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 台丸 裕, 徳永 次行, 郷田 宏子
    1991 年 30 巻 3 号 p. 622-623
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 津崎 和子, 西原 和代, 流田 智史, 虎頭 廉
    1991 年 30 巻 3 号 p. 624-625
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 川井 俊郎, 久保野 幸子, 村山 史雄, 斎藤 建
    1991 年 30 巻 3 号 p. 626-627
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
  • 喜納 勝成, 古谷津 純一, 川島 徹, 宇津野 博, 石 和久
    1991 年 30 巻 3 号 p. 628-629
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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