日本臨床細胞学会雑誌
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原発性卵管癌4症例の細胞診断学的検討
光顕および電顕的観察
竹原 正輝伊東 英樹田中 恵三好 正幸熊井 健得下谷 保治藤沢 泰憲工藤 隆一
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1991 年 30 巻 4 号 p. 727-736

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抄録
原発性卵管癌の症例は婦人科悪性腫瘍の中でもまれな疾患のひとつである.今回われわれは4症例を経験した.これらの臨床経過と細胞像と組織像, 特に細胞像の特徴の有無に関して検討した.また, このなかの3症例に関して剥離細胞における光顕 (LM) 一走査電顕 (SEM) 一透過電顕 (TEM) 同一試料観察を施行した.結果は以下のとおりである.
1.4 症例の細胞診所見
1) 腫瘍背景はなく, 細胞は重積性を示す乳頭状をとることが多かった. 2) 集団の形態として集塊が小さいことが特徴のひとつであった. 3) 核小体もしくはクロマチン凝集が著明であった. 4) 細胞質の辺縁が不明瞭であった.細胞形に関しては円形から楕円形であった. 5) 細胞質は比較的明るく, ときに空胞を認める細胞も存在した. 6) histiocyteの存在が4症例中3例に認められ, 由来は子宮内および腹腔内の炎症病変組織が考えられた.
2.3 症例の剥離細胞におけるLM-SEM-TEM同一試料連続観察所見
1) microvilli, mitochondriaの存在を認めた.mitochondriaは小型であり, 数は中等度~ 多数読められた. 2) 核小体は細胞診上の所見と同じで著明であり, 卵管癌細胞の特徴のひとつであることが示唆された. 3) 卵管癌の組織型とその発生細胞のoriginを一元的に決定するのは困難であると考えられた.
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