日本臨床細胞学会雑誌
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尿管原発癌肉腫の1例
佐々木 なおみ光畑 直喜
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1991 年 30 巻 4 号 p. 766-770

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抄録
右尿管に発生した癌肉腫の尿細胞診所見および術中擦過細胞診所見について報告する.症例は78歳男性.癌肉腫は移行上皮癌とmalignant fibrous histiocytoma (MFH) の混在よりなっていた.尿細胞診には典型的な移行上皮癌とともに, 大型のbizzareないし類円形の核, ライトグリーンに好染する豊富な細胞質をもつ腫瘍細胞がみられたがTransitional cell carcinoma, non-papillary type, grade 3とし肉腫成分を見落としていた.術中擦過細胞診では, 主として肉腫成分の腫瘍細胞が多数みられた.腫瘍細胞は類円形, 紡錘形であり, 核は大小不同, 類円形ないし不整形で, 粗顆粒状のクロマチン, 好酸性の明瞭な核小体がみられた.核内空胞が少数の腫瘍細胞にみられた.細胞質はライトグリーン好性で比較的豊富であった.パラフィン切片での免疫染色で, 腫瘍細胞はvimentin, α1-antichymotrypsinが陽性であった.尿細胞診で, 移行上皮癌とともに著しく大型で結合性に乏しい異型細胞が出現した場合, 鑑別疾患として癌肉腫の可能性を考慮すべきである.
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