日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
悪性リンパ腫を主とするリンパ節の穿刺細胞診
栗田 宗次越川 卓中村 栄男蒲 貞行布施 清子中里 景子加藤 悦子所 嘉朗須知 泰山
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 32 巻 6 号 p. 1112-1117

詳細
抄録

1980年から1991年までに, 740症例に808件の表在性リンパ節穿刺細胞診が施行された.740例中228例の細胞診が, 引続いて行われた外科的生検による組織診と対比された.転移性腫瘍の110例は細胞診により99例 (90%) が転移性腫瘍, 1例 (1%) が悪性リンパ腫と診断された.悪性リンパ腫の72例は細胞診により53例 (74%) が悪性リンパ腫, 1例 (1%) は転移性腫瘍と診断された.良性病変46例では2例 (4%) が誤陽性で悪性リンパ腫と考えられた.悪性リンパ腫をB細胞リンパ腫, T細胞リンパ腫およびポジキン病の3群に分類した.細胞診が悪性の陽性率は, B細胞リンパ腫では87%(46例中40例), T細胞リンパ腫では50%(20例中10例), ポジキン病では67%(6例中4例) であった.また, T細胞リンパ腫を改訂Kie1分類を用いて悪性度より亜分類した.その陽性率は, 高悪性度では86%(7例中6例), 低悪性度では31%(13例中4例) であった.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top