スクリーニングにおいて一次スクリーニングで偽陰性とされた症例を見直し, その頻度や原因を検索した.検討対象は1991年から1995年までの5年間に当施設にて一次スクリーニングで陰性とされた44,962症例中二次スクリーニングで疑陽性もしくは陽性と判定された133例で偽陰性率は0.29%であった.高い偽陰性率を示した要素は, 月曜日の検査日, 尿, 胸腹水, 胆汁などの液状検体, 経験年数が3年以下のスクリーニング検査士, 異型細胞少数例, 炎症や変性を伴う例などであった.スクリーニングの見落しを少なくするためには, 上記のことに留意し, 常に個人の技術の向上を計ることと, 積極的にダブルスクリーニングの制度を取り入れることが必要と思われた.