日本臨床細胞学会雑誌
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腎孟尿管移行部に発生した悪性リンパ腫の1例
浜崎 周次小倉 泰子森下 由美子松岡 博美秋田 みどり原 享子吉野 正
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1997 年 36 巻 2 号 p. 211-215

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抄録

尿路系にみられる悪性リンパ腫のほとんどは二次性であり, 尿路に原発するリンパ腫はきわめてまれである.今回われわれは腎孟尿管移行部に発生した悪性リンパ腫の1例を経験したので報告する.症例は41歳女性.右側腹部痛を主訴に泌尿器科受診.超音波検査と腎孟造影で右水腎症と右尿管狭窄が指摘され, CTで腎孟尿管移行部から尿管壁に限局した2×5cmの腫瘤を認めた.自然尿, 右分腎尿の細胞診はclass Iであった.尿管鏡施行時に採取された右腎孟尿細胞診では, 多数の炎症性細胞を背景に核小体の目立つ大型のリンパ球様細胞が少数認められた.同時に行われた尿管粘膜生検でびまん性リンパ腫大細胞型 (B細胞性) と診断された.CT, MRI等による検索では尿管, 腎孟以外には病変は見いだされず腎孟尿管原発悪性リンパ腫と考えられた.

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