日本臨床細胞学会雑誌
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石灰化上皮腫の1例
その穿刺吸引細胞像について
松田 実, 松原 浩一
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1997 年 36 巻 2 号 p. 223-227

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抄録
石灰化上皮腫に穿刺吸引細胞診が施行され, その細胞像を観察する機会をえたので報告する.症例は9歳女児で, 左眉毛の上の結節に気づいていたが増大したように感じられたため, 日之影町国民健康保険病院を受診し, 結節の穿刺吸引細胞診が施行され, 標本が中央微生物検査所に送られてきた.標本を観察した結果, 良性疾患と考えるが組織診の推定は困難であると判定したため, 結節は摘出され, 組織学的に石灰化上皮腫と診断された.
細胞診標本上には, 裸核様細胞が結合性の疎な不規則な集団を形成して多数認められ, 核は円ないし類円形で大小不同は軽度であり, クロマチンは細穎粒状で均等に分布し, 明瞭な核小体を有する細胞も存在した.同時に, ライトグリーンで縁どられた, 境界の比較的明瞭な, 無構造で不透明な物質が認められた.組織像と対比した結果, 前者は好塩基性細胞, 後者は陰影細胞であろうと考えられた.
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