日本臨床細胞学会雑誌
Online ISSN : 1882-7233
Print ISSN : 0387-1193
ISSN-L : 0387-1193
Reinke crystalが目立った卵巣間質性ライディク細胞腫の1例
新井 正秀上坊 敏子佐藤 倫也渡辺 純岩谷 弘明蔵本 博行
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 36 巻 5 号 p. 517-520

詳細
抄録

多数のReinke crystalを有する卵巣間質性ライディク細胞腫を経験したので, その組織所見と捺印細胞所見を報告する.組織学的には, 線維腫様の腫瘍組織の中に, 好酸性の豊富な細胞質と多数のReinke crystalを有するライディク細胞が, 島状に増生していた. また, 小範囲の粘液性腺腫を合併していた. 捺印細胞診標本上に出現した細胞は,(1) 結合性が粗で, N/C比の高い長円形の核を有する紡錘状の細胞,(2) ライトグリーンのやや豊富な細胞質と類円形の核を有し, 重積性ある集塊を形成する細胞,(3) 核が偏在し, 柵状配列を示す細胞, の3種類である.(2) の細胞集塊の中にオレンジGに好染する細長い結晶 (Reinke crystal) が多数出現していた.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本臨床細胞学会
前の記事 次の記事
feedback
Top