日本臨床細胞学会雑誌
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唾液腺多形腺腫に出現する筋上皮細胞の細胞像
免疫細胞化学的検討
玉田 祐里広川 満良則松 良明香田 浩美沖野 毅津嘉山 朝達
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1999 年 38 巻 5 号 p. 403-407

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抄録

唾液腺多形腺腫にみられる筋上皮細胞は多彩な形態を示すといわれているが, パパニコロウ染色では, 明確に同定できないことも多い. われわれは組織学的に多形腺腫と確定診断された7症例の術前穿刺吸引細胞診標本について, 免疫細胞化学染色を行い, 筋上皮細胞と同定される細胞の形態を検討した. その結果, 筋上皮細胞は, 形質細胞様型, リンパ球様型, 有尾型, 星芒状型, 紡錘形型の5型に分類でき, すべての型の細胞がいずれの症例にもみられた. これらの細胞形態を念頭において, パパニコロウ染色標本を再鏡検すると, 筋上皮細胞の認識が容易であり, 多形腺腫の細胞診断成績が向上すると期待される.

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