日本臨床細胞学会雑誌
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子宮体部漿液性腺癌と卵巣・卵管原発漿液性腺癌の子宮内膜細胞像の比較検討
根本 玲子杉山 裕子荒井 祐司平井 康夫佐藤 恒楯 真一岡野 滋行都竹 正文荷見 勝彦
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2000 年 39 巻 3 号 p. 137-141

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抄録
目的: 子宮内膜細胞診において, 子宮体部の漿液性腺癌と卵巣, 卵管の漿液性腺癌の鑑別を目的に, 細胞学的検討を行った.
方法: 1977年~1998年の21年間, 癌研究会附属病院にて手術を施行し, 確定診断された子宮体部漿液性腺癌32症例と, 子宮内膜細胞診陽性であった卵巣, 卵管原発の漿液性腺癌21症例を対象とした.子宮内膜細胞診はすべて増淵式吸引スメア法で採取した.
結果: 細胞標本が見直し可能であった42例中, 子宮体部原発の26症例と, 卵巣, 卵管原発の16症例 (うち, 卵管癌7例) について細胞像を比較した.子宮体部漿液性腺癌では背景が腫瘍性 (92%) で, 正常子宮内膜細胞の混入は少なく, 腫瘍細胞集塊の辺縁が鋸歯状不整 (85%) な症例が多くみられた.一方, 卵巣, 卵管の漿液性腺癌では背景がきれい (81%) で, 正常子宮内膜細胞が多数混在しており, 腫瘍細胞集塊の辺縁が平滑 (94%) な症例が多くみられた.また, 腫瘍細胞集塊の構成細胞数は子宮体部漿液性腺癌では125.8±9.4個, 卵巣および卵管の漿液性腺癌では54.6±4.9個であり, 子宮体部漿液性腺癌の方が有意に多かった (t-test; p=0.000).
結論: 子宮体部漿液性腺癌と卵巣, 卵管原発の漿液性腺癌は, 子宮内膜細胞診上個々の腫瘍細胞形態のみでは, 区別が困難であるが, 背景や集塊の出現形式, 正常子宮内膜細胞の混在に注目すると区別が可能と考えられた.
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