抄録
妊婦の子宮頸部細胞診判定におけるベセスダシステムの有用性を明らかにすることを本研究の目的とした.
妊婦3369人のうち, 頸部細胞診がクラスIIIa以上で追跡調査可能であった19症例を対象としてベセスダシステムによる再評価を行った.
ベセスダシステムの判定結果は, 標本不適2例, 炎症5例, low grade squamous intraepitheliallesion (LSIL) 6例, high grade SIL (HSIL) 5例, 浸潤癌1例であった.ベセスダシステムで炎症と再判定された全例で経過観察中に病変が消失した.病変が存続した7例はすべてSILと判定された.LSILでは6例中5例で病変の消失がみられたが, HSILでは消失しなかった.クラスIIIa症例中, 中等度異形成と診断された3例はHSILと判定され, 円錐切除後2例が上皮内癌, 1例が高度異形成であった.中等度異形成がHSILに含まれることで, クラスIIIa症例であってもハイリスク群を抽出する可能性が示された.
本研究成績から, ベセスダシステムは日母分類でクラスIIIa以上と判定された妊娠時の細胞診断に有用であることが示唆された.