日本臨床細胞学会雑誌
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子宮頸部腺癌細胞像の解析
新井 ゆう子西田 正人井上 久美子高野 克己南 里恵久保 武士
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2000 年 39 巻 3 号 p. 146-153

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抄録
目的: 頸部腺癌が細胞診によるスクリーニングから漏れる原因を明らかにすること.方法:当科で治療を受けた子宮頸部腺癌59例の臨床的特徴, 細胞像の特徴, 腫瘍性背景の出現頻度を検討した.
成績: 1) 臨床進行期の内訳は, 0期3.4%, Ia期11.9%, Ib期50.8%で, 扁平上皮癌に比し, 早期癌が少なかった.2) 1年以内の検診歴がIb期3例, II期4例にあり, 浸潤癌になっても細胞診断上の確定診断が困難な症例があった.3) 細胞所見では, 重積するクラスターの出現は必ずしも認められず, 核異型も弱いことが多く, 最も高頻度に認められた異常は, 配列の乱れと核の増大, 大小不同だった.4) 細胞診における腫瘍性背景の頻度は, Ia期14.3%, Ib期34.5%, II期60.0%で, 浸潤癌になっても壊死物質が出現しにくい傾向にあった.
結論: 細胞診で典型的な腺癌の診断基準を満たさないこと, 浸潤癌になっても腫瘍性背景の出現しにくいことが, 頸部腺癌がスクリーニングから漏れる原因になっていると考えられ, 背景がきれいでも, 配列の乱れと核の増大・大小不同を認める頸管腺集塊を認める場合には, 浸潤癌の存在も考慮して積極的に精査を進めることが重要と思われた.
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