抄録
目的: 茨城西南医療センター病院における初診患者の細胞診結果を検討し, 30歳以下の若年者, 特に10代における子宮頸部細胞診の意義を考察した.
対象: 1996年4月1日から1998年12月31日までに当科を初診した3,500例中, 細胞診を行った2,491例で, このうち10代は135例であった.
結果: ClassIIIa以上の率 (以下陽性率) は, 10代で6.72%, 20~24歳で3.70%, 25~29歳で5.05%, 30歳以上で5.75%と年齢による有意差はなかった.また, 受診理由を妊娠と非妊娠に分けて検討した場合, 10代では非妊娠患者の方が陽性率が高い傾向にあり, その他の年代では有意に (P<0.05) 非妊娠患者の陽性率が高かった。
結論: 今回の結果からは, 若年者においての陽性率が30歳以上と同等であることが注目され, たとえ10代であっても, さらに非妊婦であっても, 積極的に細胞診を行うべきであると考えられた.