抄録
目的: 術前穿刺吸引細胞診による甲状腺乳頭癌の組織学的分化度推定について検討する.
方法: 甲状腺乳頭癌33例 (高分化型16例, 低分化型17例) の穿刺吸引細胞診標本をみなおして, 組織学的分化度による細胞像の差を検討した.
成績: 低分化型の細胞像は高分化型と比べて, 出現細胞量が多く, 細胞集団は辺縁に配列の乱れやほつれを示すものが多かった.また, 個々の細胞では, 大小不同がめだち, N/C比のばらつきや核の大きさのばらつきがみられた.楕円形核の出現も特徴的であった.
結論: 細胞集団の大きさとその辺縁の状態, 個々の細胞の大きさ, 楕円形核の出現に注目すれば, 甲状腺乳頭癌の穿刺吸引細胞診において分化度推定が可能であると思われた.