日本臨床細胞学会雑誌
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10代女性における子宮頸部擦過細胞診の意義
河野 美江戸田 稔子脇田 邦夫高橋 正国入江 隆紀川 純三寺川 直樹
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2001 年 40 巻 1 号 p. 1-3

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抄録
目的:10代女性の子宮頸部擦過細胞診における異常例の頻度とその背景を知ることを目的とした.
結果:松江生協病院産婦人科を受診した10代女性164例に対し子宮頸部擦過細胞診を行った. クラスIIIa以上の細胞診異常例は12例 (7.3%) にみられ, 11例がクラスIIIa, 1例がクラスIIIbであった. 細胞診異常例12例中4例が妊娠例であり, 性行為感染症が7例にみられた. 追跡が可能であった10例中7例では, 7~84ヵ月の間に細胞診判定が正常化した. クラスIIIbであった1例は子宮頸部円錐切除術で高度異形成と診断された.
結論:細胞診異常例が高率にみられたことから, 10代であっても子宮頸部擦過細胞診を行うことが重要であると考えられた. また, 細胞診判定に際してはsexual activityが高い例では性行為感染症を含む炎症性変化に注意が必要であることが示された.
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