日本臨床細胞学会雑誌
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大網原発の悪性gastrointestinal stromal tumor (GIST) の1例
羽場 礼次小林 省二三木 洋串田 吉生竿尾 光祐野間 勝之矢野 好人山川 けいこ
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2001 年 40 巻 1 号 p. 76-80

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抄録

背景:大網原発の悪性GISTは非常にまれな腫瘍で, その細胞学的な報告は文献上みられない.
症例:73歳の男性が右上腹部痛を主訴に来院. 超音波とCTおよびMRI検査では, 左上腹部に巨大腫瘤がみられ, 肝臓には2個の転移性腫瘍がみられた. 5-FUとCDDPの化学療法が行われたが, 約9ヵ月後に永眠され剖検が行われた. 腫瘤は大網に存在し, 大きさが約22.3×16.0×7.0cmの充実性腫瘍であった. 腫瘤割面のi擦過細胞診では, 紡錘形から多辺形の腫瘍細胞が孤立散在性に出現し, 豊富な胞体はライトグリーンに好染し, 核は円形から楕円形で, 大小不同と不整が強く, クロマチンは細穎粒状であった. また多核や巨核あるいは核内封入体も認められた. 組織学的には, 腫瘍細胞は好酸性の豊富な細胞質を有し, 束状, シート状に増生し, 問質には豊富な血管増生が認められた. 免疫組織化学では, CD34, CD117, vimentinが陽性であったが, 平滑筋actin, desmin, S-100 protein, NSEは陰性であった.
結論:細胞像のみからGISTを判定することは困難であったが, 腫瘍径を参考にすれば, 細胞異型, 細胞密度, 壊死性背景などから悪性の判定は可能と考えられた.

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