日本臨床細胞学会雑誌
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膀胱低異型度移行上皮癌患者の自排尿に出現する長紡錘形細胞の細胞診断学的意義
古市 佳也黒木 登美子金岡 明博三宅 秀一川辺 民昭浦田 洋二嶋田 俊秀鷹巣 晃昌
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2002 年 41 巻 5 号 p. 335-340

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抄録

目的:膀胱低異型度移行上皮癌 (transitional cell carcinoma: 以下TCC) の自排尿細胞診の診断精度を高める目的で, 膀胱低異型度TCC患者の自排尿に出現する長紡錘形細胞の細胞診断学的意義について検討した.
方法:1995年から2000年の京都市立病院の初診患者で, 自排尿の細胞診後, 2ヵ月以内に経尿道的膀胱腫瘍切除 (transurethral resetion of bladder tumor: 以下TUR-Bt) が施行され, G1主体の膀胱低異型度TCCの病理診断が確定した患者群70例と, 良性膀胱粘膜病変を有する対照群28例の計98例を対象とした. 長紡錘形細胞の定義は, 核および細胞質が紡錘形を示し, クロマチンが増量し, 核の長径/短径比が3倍以上で, かつ核の短径軸でのN/C比が100%の細胞とした. Papanicolaou染色標本を鏡検し, 膀胱低異型度TCCにおける自排尿中の長紡錘形細胞出現の感度, 特異度, 陽性適中率, 陰性適中率を算出した.
成績:感度18.6%(13/70), 特異度96.4%(27/28), 陽性適中率92.9%(13/14), 陰性適中率32.1%(27/84) であった.
結論:自排尿に出現する長紡錘形細胞は特異度, 陽性適中率が高く, 膀胱低異型度TCCの自排尿細胞診における診断上の補助所見として重要と考えられた.

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