日本臨床細胞学会雑誌
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堺市における子宮頸癌検診の現況と問題点
狩山 雅代下迫 純子野口 秀樹松尾 光子渡部 洋塩田 充星合 昊野田 起一郎
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2004 年 43 巻 3 号 p. 149-154

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抄録

目的:堺市衛生研究所で行われた老人保健法による頸癌検診の細胞診結果から, 堺市における頸癌検診の現況と問題点について分析した.
方法:1972年から2001年までの検診受診者数45万8005人を対象に, 受診者数, 年齢別受診者数およびClass別細胞診断について年次別推移の後方視的解析を行った.
成績:受診者数は第1次老健法が施行された1982年から増加を続け, 第2次老健法が施行された1987年にピークを示したが, 以後は減少傾向にあり, 特に公費検診の一般財源化が決定された1998年以降明らかに減少した. また年齢別受診率の検討の結果, 受診率の低下は30~50歳代に著明であった. Class別細胞診断の年次推移では, Class III aの持続的な増加傾向が認められ, 1998年以降はClass IV, Class Vの微増傾向が認められた.
結論:頸癌検診受診者数は近年著明な減少傾向にあり, 特に40歳代および50歳代の検診意識の低下が推測された.今後も地方自治体と関連医療機関との緊密な連携による頸癌検診の継続と, 積極的な広報活動による検診意識の発揚が必要であると考えられた.

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