日本臨床細胞学会雑誌
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封入標本からの再染色, DNA抽出に関する封入剤の影響
池田 聡木村 博本間 恵美子横溝 早苗船越 尚哉
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2006 年 45 巻 2 号 p. 73-76

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抄録
目的:診断上問題となる細胞に免疫染色を再染色したり, 細胞診標本よりDNAを抽出して細胞の由来の推定や良悪性の鑑別診断を行う技術が普及しつつある. 今回われわれはこれらの新しい技術に対する封入剤の影響を調べた.
対象と方法:4種類の封入剤で未染色のまま封入したものと, 対照としてアルコール固定のみの未封入標本の5種類の標本を検討した. 60件 (6例×5種類×2抗原) の細胞診標本, 薄切組織標本それぞれについて4日間封入後免疫染色を行った. さらに3例×5種類の計15件の細胞診標本について, 1ヵ月間封入した後, Ki-67免疫染色を行って同様に観察した. また30件 (6例×5種類) の標本よりDNA抽出を行いPCRにてβグロビンの検出を行い, DNAの保存状態を調べた.
結果: 免疫染色の染色強度やDNAの保存状況は封入剤の種類により差がみられ, 特に一つの封入剤では検出不能となった.
結語: 細胞診標本からの再染色やDNA抽出に対し, 封入剤の影響を考慮する必要のあることが明らかになった.
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