日本がん看護学会誌
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原著
ホスピス・緩和ケアについての相談支援と情報提供に関する研究
―末期がん患者と家族の意識―
今村 由香小澤 竹俊宮下 光令河 正子小島 通代
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1999 年 13 巻 2 号 p. 60-68

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抄録

要 旨

本研究の目的は,ホスピス相談外来を初回受診した末期がん患者と家族の実態とホスピス・緩和ケアについての情報提供に関する実態を明らかにすることである.調査対象者に対して調査票を用いた面接法ならびに調査票を配布し,郵送による回収を行った.対象者は有効回答が得られた患者13名(86.7%)と家族53名(91.4%)である.相談対象である患者には苦痛症状が多く出現しており,特に,家族が受診している場合には,患者の病状は進行している傾向にあった.また,外来を受診する患者と家族は痛みの出現の不安に加え,入院やその時期,相談場所の確保,緊急時の対応への不安や心配を高く示していた.さらに,患者と家族へのホスピス・緩和ケアについての情報提供は医療従事者が行っており,情報提供の時期は,患者と家族にとって遅い傾向にあることが示された.末期ケアにおける相談支援の必要性および治療効果の判定以前の早期から,患者の症状に合わせた情報提供の必要性が示唆された.

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1999 一般社団法人 日本がん看護学会
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