2000 年 14 巻 1 号 p. 25-35
要 旨
本研究は, Newmanの理論を枠組みとして,看護インターベンションとしてのパターン認識の過程を喉頭を摘出され苦悩状態を長く体験している男性患者と共に辿り,患者の体験の変化を明らかにした.
パターン認識の過程には,局面1:研究参加者は,現在の関心事を表出する/研究者は,研究参加者の関心事を共有する,局面2:研究参加者は,自分の人生全体がみえる/研究者は,研究参加者のパターン認識を察知する,局面3:研究参加者は,これまでの人生を再確認し,新しい生き方を見出す/研究者は,研究参加者をより深く理解する,局面4:研究参加者は,自分の新たな可能性を見つけて安定する/研究者は,研究参加者の変容・成長がわかるという4つの局面が現れた.
これは,拡張する意識としての健康の過程であり,この看護インターベンションが長期間にわたって苦悩を体験した患者に対して役立つことを例証した.