日本がん看護学会誌
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原著
看護婦のがん性疼痛緩和ケア行動に影響する要因と要因間の関連
茶園 美香
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2000 年 14 巻 1 号 p. 15-24

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抄録

要 旨

本研究の目的は,がん性疼痛緩和ケア行動意図(行動意図)に影響する要因,行動意図とがん性疼痛緩和ケア行動との関連,がん性疼痛緩和ケア行動に影響する要因を明らかにし,さらに要因間の関連を検討することである.データ収集は参加観察,面接,自己記入法を用いて,がん専門病院と大学病院に勤務し,がん性疼痛患者をケアした経験が半年以上ある看護婦40名を対象に行った.その結果,次のことが明らかとなった.

1.行動意図は「痛みは取れるもの」「鎮痛薬は使うべき」という価値・信念と関連していた.

2.「痛みは取れるもの」「鎮痛薬は使うべき」という価値・信念は,「実践的知識」と関連があった.

3.行動意図は「綿密な情報収集」と関連していた.

4.「綿密な情報収集」には,ケアすることへの「好意的な感情」や「期待」が関係していた.

5.「好意的な感情」や「期待」には,「行動意図」「信念」「知識・技術」が関係していた.

6.「綿密な情報収集」は看護婦の人間の見方,看護の役割,看護過程を高め,看護婦の行動を支えていた.

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2000 一般社団法人 日本がん看護学会
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