日本クリニカルパス学会誌
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学会報告(第8回学術集会)教育講演2
栄養管理とクリニカルパス
山中 英治
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2008 年 10 巻 1 号 p. 27-32

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抄録

 栄養管理実施加算が認められ、栄養サポートチーム(NST)の役割が再認識されている。しかし、臨床の現場では、チーム医療としての病院横断的な栄養管理とはどのように実施するのか、栄養サポートチームとは何か、そして具体的にはどのような活動を行えば良いのかが解らず、暗中模索状態にあることも多い。

 さいわいにも、クリニカルパス(パス)の導入が先行して、チーム医療という考え方が根付きつつある昨今、栄養管理もチーム医療で行うことに抵抗がなくなりつつあり、今回の加算がNST活動の普及に拍車をかけている。

 パスで医療が標準化され、パスを適用して医療を行うことがルーチンワークとなっているが、合併症によるバリアンスは発生する。受診時や入院時に全身状態の悪い患者では、当然合併症が発生しやすい。栄養不良も術後肺炎や褥瘡発生の原因となる。

 適切な栄養管理を行うことでバリアンス発生が減少して、患者のQOLも向上する。再入院のリスクを減少させるためにも、連携パスを始めとした栄養管理についての医療連携も重要である。

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© 2008 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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