日本クリニカルパス学会誌
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Print ISSN : 2187-6592
実践報告
大腿骨頚部骨折地域連携パスの運用を開始して
松下 雅樹安間 英毅加藤 光康夏目 唯弘浅井 秀司大橋 恵篠原 三矢子渡邉 三幸山本 弘昭竹村 柾俊
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2008 年 10 巻 2 号 p. 115-119

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抄録

 大腿骨頚部骨折地域連携パスを平成18年9月より運用開始し、入院中のバリアンスを分析し回復期病院からのフィードバックをまとめた。連携パス開始後有意に在院日数が低下したが、パスで設定した14日間より長い状態である。その理由として、回復期病院の空床不足や受け入れ条件の違いが挙げられる。術後合併症によるバリアンスは約2割であった。これらのほとんどは長期臥床が原因で発生する。そのために当院では、受傷後早期手術、術後臥床期間の減少、リハビリの強化のための対策をした。また、術後合併症が発生すると在院日数が延長した。回復期病院退院後当院外来受診、またはフィードバックのあった症例は約6割である。フィードバックより、当院退院後発生した主な合併症・偶発症を把握することができた。今後、回復期病院からのフィードバックをさらに増やし、地域連携パスのバージョンアップを図る予定である。

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© 2008 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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