日本クリニカルパス学会誌
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学会報告(第9回学術集会)シンポジウム4 バリアンスがなくちゃパスじゃない ―バリアンス分析で何を変えられるか―
Excelテンプレートを用いたバリアンスデータ集計の効率化
井上 聡渡辺 輝子本田 幸子橘 美登里高橋 礼子金内 幸子中島 歩美小谷野 圭子
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2009 年 11 巻 2 号 p. 159-164

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抄録

 パスのバリアンス収集・分析において、Excelテンプレートを用いて、バリアンスデータ集計の効率化を図った。その結果、以下の点を改善することができた。

 1)集計方法の標準化:Excelで集計用テンプレートを作成し、集計の項目や方法を標準化した。

 2)年次集計の自動化:Excelの機能を使って、パス使用患者数、バリアンス件数、バリアンス要因などを毎月入力することにより年次集計を自動化し、業務を効率化した。

 3)入力漏れ防止:1パス1病棟1年間1ファイルの原則を作り、病棟毎に使用するパス1つにつき1ファイル(1年分12シート)を用意して、毎月、入力漏れがないように工夫した。

 4)情報の共有・データ保存の標準化:院内LANを利用して職員間でPCデータを共有できるシステムを構築した。ファイルサーバーでデータを一元管理することにより、データ保存方法を標準化した。情報が必要なときには、ネットワーク上のパソコンのどこからでも閲覧することが可能となった。

 このように、集計方法、業務を標準化することより、パス推進委員の交代があっても円滑にデータの引継ぎができるようになった。副次的な効果として、各委員は、各自の作業、進捗状況が明らかになったので、毎月こまめにバリアンス集計をするようになり、データの精度も高まった。

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© 2009 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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