日本クリニカルパス学会誌
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学会報告(第9回学術集会)パネルディスカッション3 これならやりたいDPCとクリニカルパス
DPCとクリニカルパスの有効活用が病院を魅力的にする
中村 廣繁
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2009 年 11 巻 2 号 p. 183-186

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抄録

 DPCとクリニカルパス(以下パス)はともに医療の標準化を目指すが、経済性を意識しすぎると、医療の質を損なう可能性がある。パスの最大の特徴はエビデンスに基づくことであり、DPCはベンチマークが利点である。パスのエビデンスにそぐわないDPCは改定を求めて問題点を明確にするべきである。平成20年のDPC改定では入院期間の短縮、包括点数の削減に拍車がかかったが、一方で化学療法は新分岐ができた。パスがなくてもDPCを理解すれば、在院日数を入院期間ll未満に入れることは可能であるが、ここにパスがあればさらに医療の質が担保される。パスは画一的ではなく患者の個別性を意識することでDPCの不備が補える。明確な退院基準を有し、経営効率にも対応したDPC対応型パスを柔軟に使ってこそ病院は魅力的になると考える。

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© 2009 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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