日本クリニカルパス学会誌
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学会報告(第9回学術集会)パネルディスカッション3 これならやりたいDPCとクリニカルパス
DPCとパスのコラボレイションを目指して
田村 茂行久下 景子木谷 恵小幡 光子宇野 美花副島 彰典伊藤 敏文
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2009 年 11 巻 2 号 p. 187-192

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抄録

 積極的なクリニカルパス導入、治療の標準化を目指した取り組みにより在院日数は短縮されてきた。しかし一方では、病床稼働率が低下し、パスの経済性に重点をおいた議論・要望がパス委員会に向けられた。DPCもパスも本来は質の高い標準的な医療を目指すツールであるが、DPCは経済的側面に注目されることが多い。院内でもDPCが導入され、経済性を効率的に反映するためのツールとしてパスの重要性が再認識された。パス委員会では院内のパス基準を基本的には崩さないという方針を持ちつつ、この機会にDPCシステムを活用したパスマネージメントに取り組んだ。パス委員会での取り組みとしては、(1)旧パスの見直し時のDPCデータの提供、(2)DPCデータとリンクしたバリアンス集計システムの確立、(3)パスの委員会管理とパス使用薬剤のデータベース化、(4)医療の質の検証(ベンチマーク解析)と情報の配信、等である。

 現時点のDPCシステムをうまく活用するためには、DPCとパスの連携、情報の共有、ベンチマーク比較による医療の検証が必要と考えており、その点を重視した当院の取り組みについて報告する。

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© 2009 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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