日本クリニカルパス学会誌に栄養管理として投稿された論文は、栄養教育、栄養補給、NST、チーム医療について、原著3本、実践報告4本、学会報告5本、シンポジウム報告1本、講演会報告1本である。学会設立から13年経過の中では少ない論文数である。論文数が少ない理由としては以下のことが考えられる。栄養管理は、大きく2つの業務に分けられる。1つは栄養教育であり、2つは栄養補給である。これらの業務はいずれも個別性が高い。栄養教育は教育プログラム、指導方法、患者の行動変容と実践度の評価などがある。また、栄養補給では、栄養必要量の算出、栄養補給法の決定と補給ルートの決定、栄養状態の改善の評価などの課題があり、これらについて評価方法、EBM(evidence-based medicine)が少なく確立されていないなどの問題がある。こうした中でも現在、多くの病院ではチーム医療の中で、栄養療法チームとしてNSTが作られ、クリニカルパスに最善の栄養療法の組み込みが進められ、適切な栄養管理を行われるようになってきている。栄養管理を行ううえでの、栄養教育と栄養補給をクリニカルパスに組み込むための現状の問題点と今後の方向性を検討する。