日本クリニカルパス学会誌
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Print ISSN : 2187-6592
実践報告
糖尿病教育入院クリニカルパス終了1月後栄養指導の追加効果
時永 耕太郎山崎 健也田代 淳今崎 巳陽牛方 孝子井上 悠季布施 望吉岡 利男太枝 徹
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2014 年 16 巻 2 号 p. 160-163

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抄録

 我々は、糖尿病患者管理の質を高めるため糖尿病教育入院クリニカルパス(以下、パス)を運用しているが、パス終了退院後外来での血糖コントロール改善は不十分で、退院3月後を過ぎると不良化していた。そこで、教育入院中栄養指導(集団、個人)に加え、退院1月後の栄養指導を予約する改変を行った。パス改変前後にて退院後1年間のHbA1cの推移(1、3、6、9月、1年後)を調査した。入院時の平均HbA1c(JDS値)は改変前群に比べ改変後群において不良であった(9.8±1.9% vs 10.5±2.3%)。退院3月後、改変前群に比べ改変後群においてHbA1(c JDS値)は有意に低値となった(7.1±1.2% vs 6.6±0.9%)。その後の平均HbA1(c JDS値)は退院6月後(7.5±1.9% vs 6.8±1.2%)、9月後(7.5±1.6% vs 6.8±1.0%)、1年後(7.7±1.9% vs 7.0±1.1%)まで改変前群に比べ改変後群において低値で持続していた。HbA1cをNGSP値に変換し、血糖管理目標値達成者の割合を検討した。改変前群に比べ改変後群において血糖目標達成者の割合が大きかった。パス入院時の栄養指導に退院1月後に栄養指導を追加することで食事療法が尊守され、外来での血糖コントロールが改善されたものと考えられた。

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© 2014 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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