日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
鼓室形成術パス適応例の感染に焦点をあてたバリアンス分析
濱岡 晃弘寺田 久仁子大島 一男
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2020 年 22 巻 1 号 p. 43-46

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抄録

 鼓室形成術の術後合併症として、血腫や創部感染、顔面神経麻痺、めまい、耳鳴、味覚障害・舌のしびれなどが挙げられる。耳漏からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下、MRSA)やメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(以下、MRCNS)が検出された症例に対し、当院では抗MRSA薬の点滴投与および塩酸バンコマイシン(以下、VCM)の点耳処置を施行している。そのため、入院期間の延長を要した症例が多く、既存の鼓室形成術パスでは、抗MRSA薬の点滴投与指示や点耳薬の処方変更の追加指示はバリアンスとなっていた。また、抗MRSA薬の点滴投与に伴う副作用の出現時期や観察視点について、統一されていなかった。そのため、治療の変更内容の把握を目的に、バリアンスの集計・分析を行った。そして、抗MRSA薬の点滴投与指示および点耳薬の処方が追加された鼓室形成術パスの改訂に至った。

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© 2020 一般社団法人日本クリニカルパス学会
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