日本クリニカルパス学会誌
Online ISSN : 2436-1046
Print ISSN : 2187-6592
実践報告
食道がん術後せん妄ハイリスクパスの評価と修正
谷島 和美高橋 有子横尾 実乃里上遠野 千夏
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 24 巻 1 号 p. 3-9

詳細
抄録

 せん妄は身体疾患や薬剤により、脳の機能不全が生じることで出現する精神症状である。せん妄に対しては、患者のリスク因子を同定して発症の予防策を講じ、せん妄が発症した際には早期に適切に対応することが望まれている。当院では2016年2月より、食道がんに対する手術療法を受ける患者の、術後せん妄に焦点を当てた多職種介入プログラムを開始した。そのプログラムの一環として、看護師が患者の術後せん妄を早期に発見し、適切な医療と看護を提供するための「食道がん術後せん妄ハイリスクパス」(以下、せん妄ハイリスクパス)を導入している。

 2016年2月から2019年4月までに、81名の患者にせん妄ハイリスクパスが適用された。バリアンス分析、バリアンスの発生状況とクリニカルパスまたは看護記録に記載されたせん妄症状に不一致がある場面の抽出、看護師のへのアンケート調査を実施し、せん妄ハイリスクパスの稼働日数の短縮とアセスメント項目の修正を行った。引き続き、修正したせん妄ハイリスクパスの運用と評価を重ねる予定である。

著者関連情報
© 2022 一般社団法人日本クリニカルパス学会
次の記事
feedback
Top