2003 年 5 巻 1 号 p. 67-74
当院整形外科では、年間、人工股関節全置換術を約50例行っている。今回は、在院日数の短縮・理学療法によるリハビリ訓練の進行度と病棟でのADL拡大のずれを解決すること、患者指導の充実を改訂の目標とした。
対象は、手術前に歩行可能で、骨移植をしないTHAを受ける患者様とした。2回目の見直し(H13.12月~5月)の14例と、3回目の見直し(H14.6月~7月)の10例とした。分析方法は、2回目の見直しをA群、3回目の見直しをB群とし、術後の在院日数、車椅子移動日、T字杖獲得時期、階段昇降の有無のそれぞれを比較した。また、今回新たにに参加したOTの日常生活動作の自立時期とバリアンス、リハビリの記録を入れた事による病棟の看護師、医師の意見とリハビリスタッフの意見とを聴取し評価した。結果は、A群では、平均年齢が61.8歳、車椅子移動日4.9日、T字杖獲得時期27.3日、術後在院日数平均37.9日であった。B群では、平均年齢が64.6歳、車椅子移動日3日、T字杖獲得時期16日目、術後在院日数平均25.7日であった。
80%の患者様が、杖歩行で予定通り退院する事が出来た。見直し後のパスは、医師・看護師・PT・栄養士・薬剤師のほかにOTが加わり、多くの職種が協力して患者に関わるようになった。パスはチーム医療を推進する手段であり、チーム医療を強固なものとすることを確信した。