当院ではパス導入時より全科統一フォーマットのオールインワンパスを使用してきた。その適応を拡大するためにいくつかの工夫を行ってきたので紹介する。フェーズ別パスは重要な中間アウトカム(移行条件)を設定し、その移行条件を達成すれば次のフェーズへ移行するものである。蜂窩織炎・脳梗塞急性期といった一定の治療経過はたどるが日数設定が困難な疾患が適応となる。アルゴリズムパスは治療方針を標準化したアルゴリズムを作成し、それに合わせた短期パスを組み合わせて使用するものである。腰痛坐骨神経痛・頚椎症性神経根症といった患者状態によって治療方針が変更する疾患や各種検査の行われる診断パスが適応となる。プチパスは入院している原因疾患や合併症に対して行われる、ある種の検査または治療に用いられるA5サイズのパスである。血管造影・脊髄腔造影・内視鏡的胃痩造設術といった指示や処置・観察項目の多い検査や治療行為が適応となる。手術室パスは麻酔別にケア内容を標準化し、患者状態・確認項目・コスト請求欄・申し送り欄を1枚にしたものである。これはパスの適応拡大の工夫ではないが、入院から退院まで同じ形式の用紙で経過することになり大変見やすくなったのでここで紹介する。